支払った保険料が返ってくる医療保険「リターンシリーズ」ですが、東京海上日動あんしん生命・メディケア生命・ソニー生命・メットライフ生命の4社からそれぞれ販売されています。
その中の1つである、メットライフ生命の「リターンボーナスつき終身医療保険」は、その他の3商品とは少し違った特徴を持つ商品となっています。
元保険屋さんである私も、驚愕した保険の内容を今回は少し紹介していきます。
目次
メットライフ生命「リターンボーナスつき終身医療保険」のポイント
メットライフ生命の「リターンボーナスつき終身医療保険」の最大のポイントは、実質保険料が無料の医療保険という事です。
この保険は、他の3つの商品と違い保険料払込期間が決まっている商品であり、保険料の払込期間満了時に生存していれば、それまで支払った保険料から健康祝い金や入院給付金などを差し引いた金額が「リターンボーナス」として返ってきます。
そして保険料払込期間が終われば、保険料の払い込みが無くなり保障だけが残ります。
その事から、実質保険料が無料の医療保険と言って良いでしょう。
しかし、保障面は非常にシンプルな内容になっている事から、メインの医療保険として考えるのは少し難しいでしょう。
この保険を選ぶ場合は、同じメットライフ生命の終身医療保険「フレキシィs」などとセットで加入するのがベターかもしれません。
メットライフ生命「リターンボーナスつき終身医療保険」の概要
それでは、メットライフ生命「リターンボーナスつき終身医療保険」の概要について紹介していきましょう。
- 保険期間:終身
- 保険料払込期間:60歳・65歳・70歳・75歳・80歳
- 生存還付給付金(リターンボーナス)受け取り年齢:保険料払込期間と同じ
- 契約可能年齢:20歳~60歳
- 健康祝い金:5年ごと
保険料の払込期間は選択することが出来ますが、最低保険料払込期間が20年という事ですので、加入年齢によっては選択できない保険料払込期間があります。
また、保険料払込期間終了時に生存していた場合に、生存還付給付金(リターンボーナス)を受け取れる内容になっています。
メットライフ生命「リターンボーナスつき終身医療保険」の保障内容
メットライフ生命「リターンボーナスつき終身医療保険」の保障内容について見て行きましょう。
主契約
- 入院:「疾病入院給付金・災害入院給付金(日額制)」(疾病または不慮の事故による傷害で入院を開始した場合に給付金が支払われる。1入院は60日まで通算730日の保障)
- 手術:「手術給付金(入院日額の10倍)」(入院中の所定の手術を受けた際に支払われる給付金)
- 死亡:「死亡保険金(入院日額の100倍)」(保険期間中に死亡した際に支払われる)
- 健康祝金:「健康祝金(入院日額の10倍)」(健康祝金の対象期間中(5年間)に継続して5日以上の入院給付金や手術給付金の支払いが無く、応当日に生存していた場合に5年ごとに支払われる給付金)
- リターンボーナス(生存還付給付金):生存還付給付金の受け取り時に生存していた時に、それまで支払った保険料から、健康祝金と支払われた入院給付金・手術給付金の額を差し引いた金額が支払われる。
この保険は基本的に特約の設定は有りません。主契約のみの保険となっているため、保障面だけで言うと、病気やケガでの入院・手術に対する保障しかありません。
三大疾病や生活習慣病への保障や先進医療の保障も有りません。
医療保険の最低限の保障であるという事だけは知っておかないといけないでしょう。
また、給付金の代理請求が出来る特約はありますが、保障面での追加オプションの様な内容の特約はありません。
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メットライフ生命「リターンボーナスつき終身医療保険」の注意点
メットライフ生命「リターンボーナスつき終身医療保険」の注意点をいくつか紹介していきましょう。うまい話には裏が絶対あります!
保障内容がシンプル
メットライフ生命の「リターンボーナスつき終身医療保険」の大きな注意点は保障面です。
先ほども書いたように、病気やケガでの入院・手術・死亡の保障という事で、非常にシンプルな内容のため医療保険の最低限の保障しかありません。
そのため、先進医療特約や三大疾病・生活習慣病などが心配な方にとっては、この商品だけではなく、通常の終身保険である「フレキシィs」など通常の終身医療保険とセットで加入しなければ保障面が充実はしないでしょう。
メインの医療保険と言うよりも、少し金銭的余裕がある場合にサブで医療保険を検討している方にとっては良いかもしれません。
リターンボーナス(生存還付給付金)は年金形式でも受け取れる
リターンボーナス(生存還付給付金)は、一括で受け取る以外にも年金形式にすることも出来ます。
その年金形式には、「保証期間付き終身年金・確定年金・保証期間付夫婦年金・定額保証付終身年金・保証金額付終身年金」の5つのタイプから選択することが出来るので、老後資金の準備として活用することも出来るでしょう。
保険料払込免除がある!
保険料払込期間中に重度障害などになった場合には、保険料の払い込みが免除になります。そして、保険料払込免除になった後は保険料の払い込みは無くなりますが、保険料は払込期間まで支払った事になります。
その事から、もし払込免除になった後、リターンボーナス給付金の受け取る時に生きていた場合には、支払った保険料(満額)から健康祝金・入院手術給付金などを差し引いて、リターンボーナスがある場合には受け取ることも出来ます。
解約返戻金に関して
解約時の返戻金に関して少し解説しておきます。
保険料払込期間中の解約に関しては、それまで支払った年月によって解約返戻金を計算されます。
決して支払った保険料全額が返ってくるわけではありません。
保険料払込期間終了後に解約する場合には、死亡保険金と同額の解約返戻金があります。
この保険の解約に関しては、保険料払込期間中の解約は損しかないので厳禁と言って良いでしょう。保険料を払い終わってからであれば、それまで支払った保険料も返ってきて、その上で解約返戻金も貰えると言う仕組みとなるので、得しかないと言えるでしょう。
保険料払込期間の選択肢と選択可能年齢
この保険は、保険料の払込期間が設定できる保険となっていますのが、加入年齢によって保険料払込間の設定できる年齢が異なりますので、一覧で解説しておきます。
契約年齢 | 20歳~24歳 | 25歳~29歳 | 30歳~40歳 | 41歳~45歳 | 46歳~50歳 | 51歳~55歳 | 56歳~60歳 |
選択可能な払込年齢 | 60歳~70歳 | 60歳~75歳 | 60歳~80歳 | 65歳~80歳 | 70歳~80歳 | 75歳・80歳 | 80歳 |
男女ともに同じとなっています。
また、30歳~40歳までは全年齢を選択できますが、それ以外の年齢には少し選択の幅が狭まります。
メットライフ生命「リターンボーナスつき終身医療保険」の保険料例
それでは、具体的な保険料例を紹介していきましょう。
契約内容:30歳・保険料払込年齢60歳・入院日額5000円の場合
男性 | 女性 |
14,805円 | 16,225円 |
最も高いプランの保険料を紹介しましたが、保険料払込年齢を上げることによって月々の保険料は安くなりますが、その分、生存還付給付金のベースとなる金額も少なくなるという事になります。
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まとめ
支払った保険料が全額戻ってきて、尚且つ払込期間が終われば保険料の支払いが無い、実質無料の医療保険と言える「リターンボーナスつき終身医療保険」について解説しましたが、この保険は、基本的に通販商品となりますが、細かな保険金額の設定も可能となっている商品です。
細かな日額の設定をする場合には、営業担当と話をしなければいけないので、最寄りの営業所を紹介されることになります。
また、保障面では決して優れている保険とは言い難いのが注意するポイントではありますが、入院・手術・死亡と言う単純な保障だけをずっと持っておくと言う考えであれば、良いかもしれませんが、保障面を充実させるために掛け捨ての医療保険をセットにしないといけないのであれば、コストパフォーマンスが良いとは言い切れない商品と言えるでしょう。
そして、他のリターン系の保険商品よりも保険料が高い事から、簡単に手の出る商品とは言えないでしょう。
この保険を活用する場合は、考えることが多いので知識があり将来の事とお金のバランスをしっかりと考えられる方にはおすすめ出来ますが、保障面を重視したいと言う方にとっては向かない商品でしょう。
そしてリターンボーナスを年金形式で受け取れると言う所を見ると、医療保険と言うよりも、貯蓄をするついでに医療保障を付けておこう!と言った考え方の保険と言っても良いかもしれませんね!!
他の3つとは少し性質の違った保険と言えるでしょう。
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