契約者貸し付けと言う言葉を知っていますか?
契約者貸し付けとは、簡単に言うと保険会社からお金を借りる事です。
「そんな事出来るの?」と言う方も多いのではないでしょうか?
それも、最悪返済しなくても良いとなれば、良い制度だと思う方も居るのではないでしょうか?
しかし、借金は借金です。
おいしい話ではないという事を今回は少し解説します。
目次
契約者貸付制度は保険会社に借金をする事!!
契約者貸付制度と言うのは、冒頭でも書きましたが、保険会社からお金を借りることが出来る制度です。
しかし、どの保険契約でも出来る訳ではなく、基本的には終身の死亡保険や養老保険など比較的貯蓄性のある保険商品でなければこの制度は利用できません。
それは、保険会社が契約者にお金を貸すための担保として、保険契約の解約返戻金や満期金や死亡保険金を押さえるためです。
保険会社も慈善事業ではありません。そして、契約者が困っているからと言って何もなくお金を貸す訳ではありません。
当たり前のことですが、お金を貸す時には、返せなかったときのために何か担保を取るのは当たり前のことですよね?それが保険契約と言うだけなのです。
契約者貸付制度の返済額は雪だるま式に増える!?
契約者貸し付けが借金だと言う事は分かったと思いますが、借金という事は利息が発生します。
「保険契約者が保険会社からお金を借りるのだから利息なんてとらないだろう!」と安易に考えていると、大変な事になりますよ!!
契約者貸付制度は、あくまでも「貸付」です。
保険会社はこの貸付に対して、しっかりと利息を取ります。
その利息の計算方法は「複利」です。
「複利ってなに?」と思う方も多いと思いますので、ここで複利に関して少しだけ説明しておきます。
複利とは、元金に対しての利息であり、利息が元金に上乗せされる事です。
1年複利と言うのは、1年ごとに元金に利息が加わり、また次の時に増えた元金に対して利息が付くという事です。
分かりやすく表すと下記のようになります。
1年で10%の複利の利息で200万円を借りた場合
1年後:200万円+20万円(利息)
2年後:220万円+22万円(利息)
3年後:242万円+24.2万円(利息)
これは、返済を全くしない場合の例になりますが、元金に利息が加えられ続けると言うのが「複利」と言う物です。
この複利で利息を取るので、ほったらかしにしていた場合、気が付けば借りた額(元金)が倍になっていた・・・という事になりえるという事です。
最悪返さなくても良い!?
「返さなくても良い借金なんて無いでしょ!!」と言う方は、非常に良識のある方ですよね!!
ただ、契約者貸付制度は最悪返済しなくても良いのです!!その代りに保険契約が無くなります!!それだけです!!
先ほども解説した様に、保険会社は貸し付ける担保として保険契約を押さえると言いましたが、借りられる上限金額も決まっていて、「支払った保険料相当額」という所が大半ですが、「解約返戻金の額までは借りられる」と言う場合もあります。
契約者貸付は、その元金と利息を含めての返済額が、満期保険金の額や解約返戻金の額を超えなければ返済しなくても問題はありません。
しかし、返済をしないで元金が増え続け、解約返戻金や満期保険金と言う保険会社から貰える予定のお金を超えてしまった場合には、保険会社もその後の利息等を回収できなくなるため、保険契約自体を失効させて契約を無くす代わりに借金も無くすのです。
少し解りやすく書くと下記のような感じです。
満期保険金500万円の養老保険に加入し、保険料を300万円まで支払い終えている保険契約で、50万円の契約者貸し付けを利用したとしましょう。
50万円の契約者貸付を返済もせず、その後の保険料も払わなかった場合に、返済額が300万円を超えると判断された場合には、この保険は失効して満期保険金も保障もすべてなくなるという事です。
保障がなくなるのは困るから返済したい!!
一時的に契約者貸し付けを利用したけれど、保障がなくなるのも嫌だし金銭的にも余裕が出てきたから借りたお金を返したいと言う方も居るでしょう。
契約者貸付制度で借りたお金を返す場合は、保険会社から送られている貸付金の案内に同封されている返済方法に従って返済が出来ます。
方法としては振込用紙を使用して保険会社に返済額を振り込む場合と、保険会社に出向いて手続きをするなどいくつかの方法があります。
基本的には振込用紙を使用して返済するのが一般的であり、振り込む金額が元金と利息をすべて含んだ金額かどうかを確認して、返済額を振り込みましょう。
しっかりと貸付金と利息分を振り込めば、借金は無くなり解約返戻金や満期保険金と言う物が満額貰えるようになります。
また、契約者貸付制度を利用した場合は、出来るだけ早く返済するようにしましょう。
先ほども解説した様に、利息が複利計算されますので、借りている期間が長くなればなるほど、返済額が大きくなり返せなくなり結果として契約が無くなるという事になりかねないので、出来るだけ早く返済するようにしましょう。
まとめ
契約者貸付制度に関して解説しましたがいかがでしたか?
「こんな制度あるなんて知らなかった!!」と言う方が多いと思いますが、私も保険を売っている時に終身保険も多く売りましたが、この制度についてはそこまで真剣に説明しません。
保険業法上、契約に関する説明義務があるので、説明はしますがこの制度を利用する事を推奨できないので、説明をしても今回書いたようなことを説明して、どうすることも出来なくなった時は相談してくださいと言っていました。
この契約者貸付制度と言うのは、最終手段だという事をしっかりと理解しておいてください。
安易に契約者貸し付けでお金を借りようと思わないでください。
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