住友生命には「記念日宣言」と言う【生存給付型定期保険】と、「グランドパスポート」と言う【低解約返戻金型定期保険】と、「エンブレム新長期プラン」と言う法人専用の【低解約返戻金型定期保険】の3つの定期保険がラインアップされています。
これらの中で、個人向けの2つの定期保険「記念日宣言」と「グランドパスポート」が意外と魅力的な商品と言う事を知っている方は少ないと思います。
この2つの保険がなぜ魅力的なのか?という所を今回は解説をしていきます。
また、法人向けの「エンブレム新長期プラン」についても少しだけ触れますので、興味のある方は最後まで読んでくださいね!
目次
住友生命の定期保険は3つだけ!?ラインアップ紹介!
住友生命が販売する定期保険は3つしかありません。
これが多いか少ないかと言われると、平均的と言える保険商品数と言えるでしょう。
そんな住友生命の定期保険のラインアップは次のようになります。
・記念日宣言(生存給付金付定期保険)
・グランドパスポート(低解約返戻金型定期保険)
・エンブレム新長期プラン(低解約返戻金型定期保険・法人専用)
上記の3つしかラインアップがありませんが、それぞれに特徴のある商品である、国内大手生命保険会社のラインアップとしては少し面白いと思う商品と言えるでしょう。
それぞれの特徴と隠れた魅力に関して少し細かく解説をしていきます。
住友生命「記念日宣言」は保障だけなら最安値クラス!?
住友生命の「記念日宣言」と言う商品は、【生存給付金付定期保険】と言う保険商品であり、保険期間中に生きていれば【記念日ボーナス】を受け取れ、また満期時には【満期ボーナス】と言われる満期金を受け取れる保険商品となっています。
この「記念日宣言」の保険の内容から保険料と魅力ポイントをそれぞれ紹介していきましょう。
住友生命「記念日宣言」の内容を紹介!
ここでは、契約に関する概要から保障内容と言ったところを紹介しましょう。
契約に関する概要
保険期間:15年・20年・25年・30年
保険料払込期間:保険期間と同一
契約可能年齢:0歳~70歳
特徴:契約後3年目から2年ごとに【記念日ボーナス】と満期時には【満期ボーナス】が受け取れる。
また、記念日ボーナスは契約応当日ではなくても良いので、契約者の任意の日を設定できる。
※記念日ボーナスは基本保険金額の10%・満期ボーナスは基本保険金額の50%
保障内容
主契約
- 死亡・高度障害保険金
特約
- 定期保険特約(死亡・高度障害の保障)
- 特定重度生活習慣病保障特約
- 総合医療特約
- 入院保障充実特約
- 成人病入院特約
- 女性疾病入院特約
- がん入院特約
- がん診断特約
- がん薬物治療特約
- 新先進医療特約
- 傷害損傷特約
- 災害割増特約
- 傷害特約
- 指定代理請求特約
保険契約の概要に関しては、保険期間を15年・20年・25年・30年の4タイプから選べることと、1回目の満期時のみ自動更新となることも考えると、様々な使い方が出来ると言えるでしょう。活用方法に関しては後ほど解説します。
また、【生存給付金付定期保険】と言うのがこの保険のミソになるところですので、これが大きな特徴と言えるでしょう。
また保障面でいうと、基本的には「死亡・高度障害」のみの保障にしておくのがベストと言えるでしょう。
これはあくまでも一定期の保障であるために、この保険に特約として医療保障などを付加してしまうと、この保険が満期を迎えた際に医療保障など付加した保障全てが無くなると言う事になりますので、この保険は死亡保障として活用するようにしましょう。
住友生命「記念日宣言」の保険料は高い!?
住友生命の「記念日宣言」は、生存給付金付定期保険と言う定期保険ですので、保険期間中に生きていれば2年ごとに【記念日ボーナス】という生存給付金を受け取れる保険商品であるために保険料は他の定期保険よりも高くなっています。
そんな「記念日宣言」の保険料を少し見ていきましょう。
保険料例:主契約:基本保険金額200万円・保険期間・保険料払込期間15年
契約年齢 | 男性 | 女性 |
0歳 | 13,606円 | 13,602円 |
10歳 | 13,642円 | 13,616円 |
20歳 | 13,710円 | 13,662円 |
30歳 | 14,786円 | 13,746円 |
40歳 | 14,018円 | 13,918円 |
保険料としては、月々1万円を超えてくることから定期保険としては非常に高い印象を受けると思います。
しかし、この保険は先ほども書きましたように、2年ごとに生存給付金を受け取ることが出来て、満期時には満期金を受け取ることが出来るため、その原資を多く支払っているための保険料であると言う事を知っておいてください。
簡単に言うと、死亡保険の保険料に加えて保険期間中・満期時に受け取るお金をプラスして支払っているだけの保険と言う事です。
住友生命「記念日宣言」は保障だけなら最安値!?
さて、保険料が高いと書いたすぐ後に、【最安値!】と言われても、「何を言っているのだ?」となるかもしれませんが、あくまでも保障面である死亡保障に掛かる値段の事だけです。
先ほどの保険料例を活用して、この保険の死亡保障に掛かる金額を少し見ていきましょう。
30歳男性が先ほどの保険料と同じ条件で、この保険に加入した場合を例に少し具体的に見ていきましょう。
月々の保険料は13,786円となり、これを15年間支払った【総支払保険料】は、「13786円×12ヶ月×15年=2,481,480円」となります。
そして、この保険で受け取る【記念日ボーナス】と【満期ボーナス】は、基本保険金額200万円ですので、記念日ボーナスが「20万円(保険金額の10%)×7回=140万円」、満期ボーナスが100万円(基本保険金額の50%)とすれば、合計額は240万円になります。
総支払保険料「2,481,480円」から、ボーナス総額「2,400,000円」を引くと、実質の総支払保険料は「81,480円」となります。
この「81,480円」を15年で割り、さらに12ヶ月で割ると、「月々約453円」となります。
この【月々約453円】が死亡保障に掛かる保険料であり、死亡保障だけなら決して高い保険料ではなく、比較的安い保険料と言えるのです。
こうして、「保障に掛かる金額がいくらなのか?」という所だけを見ると、決して高い保険と言う訳ではなく、逆に安い保険とも言え、他社の定期保険と遜色のない保険料ともいえるのです。
これが、隠れたこの保険の魅力ともいえるのです。
この保険をおすすめ出来るか?
この保険に関して少し総括をしていきましょう。
この保険は、保障面の保険料としては比較的安いと言うのが言えますが、やはり月々支払う保険料は非常に高いと言えるでしょう。
お金に余裕があれば、貯蓄と死亡保障の両面から考えて悪い保険とは言えないので、おすすめは出来ます。
また、第一回目の更新時には自動更新をしますので、保険期間を長くして60歳や70歳ぐらいまで死亡保障と貯蓄を備えることも可能となりますので、保険期間を長く設定して活用するのも良いかもしれません。
しかし、最初にも言いましたが、保険料が高いのであくまでも「お金に余裕があれば」と言う人におすすめします。
住友生命の「グランドパスポート」は大きな損をしない!?
住友生命のもう一つの定期保険である「グランドパスポート」は【低解約返戻金型定期保険】と言う、解約返戻金を抑える代わりに保険料も安く出来る仕組みの保険となっています。
また、保険期間も非常に長く設定していることから、定期保険と言う名前ですが実質は終身保険に非常に近い保険と言える商品です。
この「グランドパスポート」と言う定期保険は、一般的な定期保険と比べると非常に損をしにくい保険商品となっていますので、知っておいて損はないでしょう。
それでは、保険内容・保険料・特徴や注意点などを解説していきましょう。
住友生命「グランドパスポート」の内容を紹介!
それでは、契約に関する概要から保障内容と言ったところを解説していきましょう。
契約に関する概要
保険期間:98歳までの定期
保険料払込期間:短期払い(低解約返戻金期間中と同一)・全期払い(保険期間と同一)
契約可能年齢:15歳~75歳
保険期間に関しては98歳までと言う事で、ほぼ終身保険と言っても良いでしょう。
また保険料払込期間に関しては、基本的に短期払いが主な支払い方法になりますが、保険期間中ずっと支払う全期払いも設定できますので、月々支払う保険料と解約返戻金の兼ね合いで支払い期間は決めるようにしましょう。
保障内容
主契約
- 死亡・高度障害保険金
特約
- 保険料払込免除特約
- リビング・ニーズ特約
- がん長期サポート特約
- 指定代理請求特約
保障内容に関しては、死亡・高度障害保険金のみとなり、「記念日宣言」のように医療保障などの特約はありませんので、あくまでも死亡保障と言う事だけ知っておきましょう。
特徴
低解約返戻金型定期保険と言う事で、低解約期間中の解約返戻金を抑えて保険料を比較的安く出来る事が出来る保険商品となっています。
また、長期の定期保険(98歳まで)と言う事で、通常の定期保険とは異なり解約返戻金が存在し、契約年齢によっては解約返戻金が支払った保険料総額を超えるタイミングがある事から、資産形成にも活用できる保険と言えます。
生命保険(死亡保険)の死亡基準年齢は98歳前後を設定している保険会社が多いことから、名前や仕組みは定期保険ですが、実質は終身保険と言えるのはこう言った所が要因と言えます。
住友生命「グランドパスポート」は保険料を先に決める!?
住友生命の「グランドパスポート」は、保障額である保険金を第一に考えるのではなく、月々いくらの保険料を払うのか?という所に重きを置く考え方になっています。
そのため、公式ホームページの保険料例に関しても、20歳・30歳は保険料を月々10,000円に設定し、40歳は15,000円、50歳は20,000円、60歳は30,000円と区切りの良い数字になっています。
そして、保険料払込期間に関しても、20歳・30歳は60歳まで、40歳・50歳は65歳まで、60歳は70歳までと言う設定にしています。
これを少し表で解りやすく表記しておきましょう。
契約年齢と保険料払込期間と月々の保険料と保険料総額(男性・女性共通)
契約年齢 | 保険料払込期間 | 保険料 | 保険料の総額 |
20歳 | 60歳 | 10,000円 | 480万円 |
30歳 | 60歳 | 10,000円 | 360万円 |
40歳 | 65歳 | 15,000円 | 450万円 |
50歳 | 65歳 | 20,000円 | 360万円 |
60歳 | 70歳 | 30,000円 | 360万円 |
契約年齢と保険料払込期間と保険料は上記のようになっています。
これは男性も女性も同じ条件となっています。
そして次に、この保険料に応じた保険金額(死亡保険金額)とタイミング別の解約返戻金を紹介していきます。
保険金と解約返戻金
男性
契約年齢 | 保険金額 | 契約から5年後の
解約返戻金額 |
払込満了直前の
解約返戻金 |
払込満了直後の
解約返戻金 |
払込満了から5年後の 解約返戻金 |
20歳 | 651.89万円 | 約41万円 | 約386万円 | 約551万円 | 約564万円 |
30歳 | 464.90万円 | 約41万円 | 約275万円 | 約393万円 | 約402万円 |
40歳 | 543.09万円 | 約60万円 | 約329万円 | 約470万円 | 約479万円 |
50歳 | 407.24万円 | 約77万円 | 約246万円 | 約352万円 | 約359万円 |
60歳 | 384.57万円 | 約112万円 | 約237万円 | 約339万円 | 約345万円 |
女性
契約年齢 | 保険金額 | 契約から5年後の
解約返戻金額 |
払込満了直前の
解約返戻金 |
払込満了直後の
解約返戻金 |
払込満了から5年後の
解約返戻金 |
20歳 | 742.94万円 | 約41万円 | 約386万円 | 約551万円 | 約563万円 |
30歳 | 529.38万円 | 約41万円 | 約275万円 | 約393万円 | 約401万円 |
40歳 | 623.18万円 | 約60万円 | 約330万円 | 約472万円 | 約482万円 |
50歳 | 469.16万円 | 約78万円 | 約249万円 | 約355万円 | 約363万円 |
60歳 | 448.62万円 | 約116万円 | 約243万円 | 約347万円 | 約352万円 |
上記の表が、保険金額と解約返戻金になります。
表が2つに分かれているため少し解りにくいかもしれないので、少し補足の説明をしていきます。
簡単に言うと、男性の場合は40歳までは保険料払込満了の5年後に解約をすれば、総支払保険料より多くの解約返戻金が受け取れることになり、そのタイミングを逃したとしても98歳までに亡くなれば死亡保険金の額は総支払保険料よりも多いので、実質的に掛け捨てになる可能性が少なくなります。
また女性の場合は、50歳でも保険料払込満了の5年後の解約返戻金が総支払保険料を上回りますので、掛け捨てになる可能性は少なくなります。
逆に男性の場合は50歳以上、女性の場合は60歳前後以上の方は、解約返戻金が総支払保険料を上回る可能性が低いので、資産形成と言う側面では活用しにくいと思います。
解約返戻金のピークに関しては、実際の住友生命さんの出す保険提案書(見積もり)を見ないと解らないので、興味のある方は住友生命さんに直接お問い合わせくださいね。
住友生命「グランドパスポート」の最大の注意点は?
この保険の最大の注意点を最後に書いておきます。
この保険は終身保険に非常に近いと解説しましたが、あくまでも定期保険であり98歳で満期を迎えます。
そして、「記念日宣言」のように満期保険金と言うものはありません。
「解約返戻金があるじゃないか!」と思う方も居るかもしれませんが、私が先ほども少し書いていたように、【解約返戻金のピーク】と言うのがこの保険では存在します。
低解約返戻金型定期保険と言う事で、解約返戻金があるのですが、この【ピーク】を過ぎると解約返戻金は無くなっていき、満期を迎える時には解約返戻金も0になります。
健康で元気に98歳の満期を迎えてしまった場合は、保障が終わるので死亡保険金もなくなり、満期保険金もなく、解約返戻金もないと言う仕組みになっています。
解約をせずに長生きをすると、逆に大きな損をする可能性のある保険商品と言う事です。
資産形成として活用するのであれば、この【解約返戻金のピーク】と言うのをしっかりと覚えておきましょう。
法人向けの「エンブレム新長期プラン」はどんな保険?
住友生命には法人向けの「エンブレム新長期プラン」と言う、「グランドパスポート」と同じ内容の定期保険がラインアップされています。
保険の内容に関しては、個人向けの「グランドパスポート」と全くと言っていいほど同じ保険商品となっています。
そんな「内容も同じなのに、何が法人向けなのか?」と、気になる方も中にはいらっしゃるかもしれないので、解説をしていきましょう。
「エンブレム新長期プラン」と「グランドパスポート」の大きな違いは、保険金額・保険料の差です。
「エンブレム新長期プラン」と言うのは、法人向けの定期保険と言う事で、経営者や役員の退職金の準備などに活用する保険商品です。
そのため保険金額や保険料と言うのは、個人向けの保険商品と大きく異なるのです。
この「エンブレム新長期プラン」は、法人向けに保険金額を数億円まで設定できるようになっていて、支払う保険料も1年間まとめて支払う年払いで数百万円になるような保険商品です。
そして、損金算入の金額なども解りやすいようになっている、法人の契約に特化した内容となっているのです。
これが、個人向けの「グランドパスポート」と法人向けの「エンブレム新長期プラン」の大きな違いです。
これ以外には大きな違いはありません。
まとめ
住友生命の定期保険について書いていきましたが、どのような商品かわかりましたか?
少し特徴的なラインアップになっているのは、一般的な定期保険は総合保険として販売されている「1UP」などで販売しているため、それらから漏れたニーズをカバーするために販売されているのが今回紹介したような保険商品になるのです。
そのため、住友生命は会社としてもあまり強くプッシュしないので、あまり知られない存在になるのです。
「記念日宣言」も「グランドパスポート」も使い方・考え方によっては非常に興味深く魅力的な商品と言えます。
しかし、「記念日宣言」に関しては保険料が高いので、お金に余裕があれば選択できますが、現実的に考えると結婚前の若い世代や子育て世代には手の出しにくい保険商品と言えるでしょう。
また、「グランドパスポート」に関しても、この保険の特性と注意点をしっかりと理解してなければ手を出しにくい商品と言えるかもしれません。
そのため、ごく一部の人しか魅力を感じない保険ともいえるかもしれないですね!
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