医療保険は掛け捨てがメインとなっていますが、支払った保険料が返ってくる保険があるのを知っていますか?
数年前に、東京海上日動あんしん生命が発売して以降、数社が追随している保険商品ですが、未だに認知度は低めです。
そんな、保険商品について今回は少し解説していきます。
目次
医療保険の保険料が全額返ってくる!?
掛け捨てではなく、支払った保険料が全部返ってくる医療保険があれば魅力的ですよね?
そんな商品が実は4種類あります。
しかし、魅力的な売り文句ですが、しっかりと注意点なども有る商品です。
そこで、ここでは保険料が返ってくる保険について少し紹介していきます。
健康であれば全額保険料が返ってくる
この医療保険の特徴は、契約時に決めた年齢(例えば60歳や65歳など)まで生きていれば、それまで支払った保険料から保険金で支払った金額を差し引いたお金を返してくれる内容となっています。
簡単に書くとこんな感じです。
「契約時に決めた年齢まで支払った保険料-病気などで保険会社から支払われた金額=健康還付給付金」
少し具体的に書くと、60歳の時に健康還付給付金を受け取る契約にしている場合
「200万円(60歳までの総支払保険料)-20万円(入院給付金など)=180万円(健康還付給付金)となります。
健康で入院や手術をしなかった場合には、それまでの保険料が全て戻ってきます。
保険料の支払いは一生涯!?
保険料が全額返ってくると言うと、無料で保険に入れるの?と思う方も居るかもしれませんが、そんなに甘くはありません・・・・
この保険は一生涯の保障ですが、保険料の支払いも一生涯です。
健康還付給付金を受け取った後も、保険を続けるのであれば、保険料を払い続けなければいけない商品です。
ここが、ミソとなっているのです。
一見すると、すごくお得な商品に思えますが、実際には掛け捨ての保険とさほど変わらないのです。
保険料は高めに設定されている!
この保険商品は、掛け捨てと言われる医療保険よりも月々の保険料は高く設定されています。
ザックリと言うと、同じ保障内容で保障の期間も保険料の払い込み期間も同じ掛け捨ての保険と比べると、2倍くらいの保険料となっています。
「月々の保険料が倍になるならメリットなんてないじゃないか!」と思う方も居るかもしれませんが、意外とメリットが大きい保険なんですよ!!
その事を次の章で少し解説します。
保険料が返ってくる医療保険を上手く活用する方法
この保険にも、メリットとデメリットはあります。
特性を理解したうえで、この保険の活用の仕方を少し紹介しましょう。
最大のメリットは?
この保険の最大のメリットは、契約時に決めた年齢で健康還付給付金が受け取れること。
これは、このタイミングまでの保険料を一旦返してくれるという事で、このタイミングで健康であれば医療保険の見直しをして新しい保険に加入できる可能性があるという事です。
万が一、大病などをして医療保険に入れなくなった状態でも、この保険を続けることは出来ます。その場合の保険料は、契約時に決めた保険料となります。
デメリットは?
この保険のデメリットは保険料の高さと言われますが、個人的な意見としては、特別高いとは思いません。
例えば、30歳でこの保険に加入して60歳で健康還付給付金を受け取って90歳まで加入し続けた場合、保険料の支払いは30年だけです。
同じ期間(30歳~90歳まで)、月々の保険料が安い掛け捨ての医療保険に加入した場合と比べて、総支払保険料はどれ程変わると思いますか?
保険料が倍額しても保険料を払う期間は半分になるため、総支払額は変わりませんよね?
あくまでも60年間での話ですので、長生きして加入し続ければ、掛け捨ての保険の方が安くなりますが、その辺りの計算をしても面白いのではないでしょうか?
また、もう一つのデメリットとして、途中解約が難しいと言う意見もありますが、途中解約の場合にはそれまで払った保険料に応じた金額の解約返戻金がありますが、多くの場合は確実に損をしますので注意してください。
活用の仕方と考え方とは?
この保険の活用の仕方は簡単です。
将来、医療保険を見直す前提で加入するのです。
契約時に決めた年齢で健康還付給付金を受け取れることで、そこまでの保険料がいったん返ってきます。
健康状態にもよりますが、その時に保険内容を見直して加入している保険がその時の医療技術に合っているか、それとも新しい保険に入った方が良いか?と言う選択が出来ます。
もし、それまでに病気になって新たに医療保険に加入できなくても、その医療保険を継続することが出来るので、マイナス面はありません。
保険料が高いのではないの?と言う方に関しては、デメリットの箇所でも説明しましたように、総支払保険料を比較すると、掛け捨ての医療保険と、そこまで大きな差は無いと言えるでしょう。
この考え方は、基本的に20代や30代の方にとっては、魅力的ではないでしょうか?
それは、医療技術が20年・30年同じとは言えませんよね?いま加入した医療保険が20年・30年後も有効な保険と言う保証はどこにもありませんよね?
本当に医療保険が必要になった時に、保険を見直すチャンスが有るか無いかは大きな違いですよ!!
祝い金ありの女性向け保険との違い
医療保険には、女性向けの医療保険があるのを知っている方も多いと思いますが、女性向けのプランと言うのは、数年おきに祝い金を受け取れたり、満期時に健康祝い金を貰えたりする保険プランとなっている事が多いですが、それらの保険と、健康還付給付金付きの保険とは全くもって別物となりますので、覚えておいてください。
女性向けの医療保険と言うのは、基本的には掛け捨ての医療保険に祝い金の付いた定期保険である場合が多いです。
保険料が少し高い事と、戻ってくるお金があるという事で、同じ内容だと思う方も居るかもしれませんが、女性向けの医療保険は、保障部分と積立部分の2階建ての保険となっているため、戻ってくるお金と言っても、それは保障分とは違う積立部分が戻ってきているだけなのです。
一方の健康還付給付金付きの医療保険は、保険料を高く設定している理由は、保険料を払ってもらっている期間に出来るだけ大きな金額の資産運用を保険会社がする為の保険料となっているため、余分に払った分と言う概念は同じですが、少しニュアンスが異なるのです。
戻ってくるお金も、保障部分も含めた保険料となっているので、根本的に違う内容だという事を知っておいてください。
まとめ
さて、保険料が返ってくる医療保険について解説しましたが如何でしたか?
「こんな保険が有るんだ!!」と、初めて知ったと言う方も居るのではないでしょうか?
医療保険は、掛け捨てで安く準備するモノと言う考え方が一般的であるために、掛け捨てよりも保険料が高くなる、健康還付給付金付き医療保険は牽制されがちですが、若い方ほど将来の医療技術と医療保険のマッチングや総支払保険料の事などを考えても、有利であると思います。
しかし保険料が高いのがネックになり、仮に病気に罹ってしまった場合には見直しも新しい保険にする事も出来ないと言う事も併せて知っておいてもらえればと思います。
ただ一つ言えるのは、若い方にとって20年・30年後の医療技術と今の医療保険の内容が合致し続ける可能性は少ないという事と、今の保険料が安くても総支払額がどうなるのか?と言う長い目で見てどちらがお得なのか?という事を考えるようにしましょう。
そして、可能性を作っておくと言うのも重要な事だという事も知っておきましょう。
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