台風や大雨の被害が多くなり、火災保険の対象となる被害も多くなってきています。
また地震と違い、台風の突風や大雨での床上浸水などは火災保険の対象となるという事を知らない方も多く、公的な支援を待っていると言う方も多い事でしょう。
公的な支援を受けようと思うと、罹災証明の発行を待たなければいけないなど、時間がかかるのがネックになっている事でしょう。
しかし火災保険なら、公的な支援よりも早く保険金を受け取れる可能性が高いのです。
そこで今回は、災害時を含めて火災保険の対象となる事故や災害時の被災から保険金支払いまでの具体的な流れを、元保険屋である私が解説します。
目次
火災保険の支払いまでの時間は長くても2・3週間
台風や大雨で被害を受けた際に、火災保険から保険金が支払われるとすごく助かりますが、保険金の支払いまでに時間がかかると二次災害のリスクも心配になりますよね。
そこで、火災保険の支払いまでの時間をおおよそで言うと、どんなに時間が掛かっても2・3週間程度という所でしょう。
早ければ1週間程度で支払いまで完了する場合もありますが、被害状況や損害程度の確認作業など、大規模災害になると時間がかかる場合があるため、2・3週間程度の時間は見ておきましょう。
火災保険の支払いまでの流れで契約者がする事
台風や大雨での床上浸水など、火災保険の対象となる事故や災害が起こり、保険の対象物(建物や家財)に損害が出た場合には、どのような流れで保険金支払いまで行くのか解説します。
損害箇所の確認と写真を撮る
まずは、損害箇所の確認と写真を撮るようにしましょう。
これは出来る限りで構いません。屋根の上など確認が難しい場合には修理業者さんに任せましょう。
この損害箇所の確認をする理由性としては、事故性の確認と言う意味合いがあります。
台風や大雨での被害なのか、瑕疵・劣化なのかという所をハッキリさせておくことで、保険会社とやり取りもスムーズになります。
保険会社または代理店に連絡をする
火災保険の対象の事故が起こっても、保険会社に連絡をしなければ保険金は支払われません。黙っていても貰えるわけではなく、しっかりと報告する必要があるのです。
先ほどの損害箇所の確認と写真を撮る前に保険会社に連絡をしても問題はありません。
そして連絡先ですが、保険会社に直接連絡する方が、手続きが早く進む可能性が高いですが、事故の状況や損害箇所の説明などに自信のない方は、代理店に連絡をするようにしましょう。
場合によっては損害の確認や写真を撮りに来てくれる可能性も高くなり、保険会社との交渉などすべて任せておくことが出来ます。
代理店に任せておけば、後片付けなどに専念できて良いかもしれませんね。
修理業者に修理の見積もりを依頼する
保険会社や代理店に一方を入れると、「修理見積りが必要!」と言われると思います。
また、損害箇所はどのみち修理をしなければいけないと思いますので、修理業者の手配をするようにしましょう。
懇意にしているところがあれば、連絡をして修理に掛かる金額を出してもらうようにしましょう。
この修理に掛かる金額と言うのが、火災保険の「損害額」になり、保険会社は、この費用を基に損害額を算出していきます。
まずは、保険会社に連絡をして、修理業者に修理見積りの作成をお願いするところまでは契約者さんがやらなければいけない事となります。
火災保険の保険金支払いまでの流れ
事故や災害が起こった時に契約者がしなければいけない事を解説しましたので、ここからは保険会社の中の事を少し解説していきましょう。
事故報告を受ける
契約者が代理店に事故の一報を入れた場合には、代理店は火災保険の契約を確認します。
確認事項としては、契約期間(保険期間が切れていないか)・保険の対象(建物の所在や構造など)・保険契約の商品確認など、すべて確認してから、損害箇所や原因・損害程度を契約者から聞き、その情報を基に保険会社に連絡をします。
その後、保険会社の事故処理部門とやり取りをする事になります。
この事故報告をスムーズにするために、損害箇所の写真などがあれば代理店としては非常に助かります。
保険会社の事故処理部門は、代理店から事故報告を受けた際により細かな状況などを確認します。
その時点で事故性が有ると判断した場合には、損害箇所の写真と修理見積りを見て損害額を算出します。
ここまで約1週間掛かるか掛からないかです。
その損害額を契約者に伝えて了承を貰えれば、保険金の支払いに入ります。
保険金の支払いに入れば、2・3日程度で保険金は支払われます。
具体的な日数を書いておきましょう。
少し言葉だけでは、解りにくいと思いますので、少し時系列でまとめましょう。
事故が起きる
↓
保険会社または代理店に連絡(1日)
↓
保険会社が連絡を受ける
↓
損害箇所や修理見積りを確認して損害額を決める(早ければ2・3日)
↓
損害額を契約者に伝える(事故から早ければ1週間程度)
↓
契約者が損害額に納得したら保険金の支払いに入る
↓
保険金が入金される(事故や災害から1週間から2週間程度)
事故が起こってからの流れはこの様な流れで、時間としては早ければ1週間程度、遅くても2・3週間程度です。
台風や大雨のように被害件数が多ければ、保険会社も事故処理に時間掛かる場合があり、代理店も事故を処理する件数が多くなれば対応に時間がかかる場合があります。
そのため、早ければ1週間程度と書きましたが、実際には2週間ぐらいは掛かるでしょう。
まとめ
今回は台風で甚大な被害が出ているという事で、緊急的に火災保険の保険金支払いまでの流れを書きました。
火災保険の請求には罹災証明は必要なく、損害箇所の修理見積りが必要なだけです。
意外と知らない方が多いのですが、台風の突風などで屋根が破損した場合や、窓ガラスが割れた場合や、壁に穴が開いたなど、原因が突風の場合には火災保険の「風災」に当たります。また大雨で浸水した場合には、床上浸水または地面から45cm以上の浸水をした場合には火災保険の「水災」に当たります。
風災に関しては免責事項として、「20万円以下の損害は対象外」としている保険商品も多いですが、経験上では風災での損害の多くは20万円以上の損害になる可能性が高いのであまり心配しなくても良いでしょう。
今回の千葉県の台風のように、甚大な被害が出ることは珍しくなくなるかもしれません。
公的支援も頼みの綱かもしれませんが、火災保険にしっかりと加入していれば、まずは保険の対象にならないのか?という所を考えるようにしましょう。
もしかすると公的支援をよりも助けになるのは火災保険かもしれないですね!
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