一般の方にはあまり馴染みのない話になりますが、保険には一般の方用の保険と企業向けの保険があります。
一般の方向けの保険は情報も多いですが、企業向けの保険と言うのはあまり情報が出ませんよね!?
需要が無いので仕方ないのですが、これから起業をしようと言う方や、中小企業の経営をされている、親などから受け継いで経営を任されるようになったと言う方など、企業向けの保険と言う物を少し知りたいな!という少しニッチなニーズに今回は答えていこうと思います。
目次
企業の保険は賠償保険が大事
企業の保険と言っても、火災保険や自動車保険など一般の保険と変わらない保険も必要ですが、一般の方と大きく違うのは賠償責任に対するリスクの大きさです。
一般の方の賠償責任には、自転車事故や買い物中に商品を破損したなど、少し非日常的な要素が強い賠償責任ですが、企業の場合には賠償責任のリスクがあらゆるところに隠れています。
製造業の場合には、生産物賠償責任と言って製造物に不具合が生じた場合や欠陥があった場合には、修理や再製造など費用も多くかかります。
また、飲食業やサービス業では、受託賠償責任といってお客様の手荷物やコートなどを預かっている時に、破損させたり汚損させてしまった場合には弁償したりクリーニングに出したりと、こちらも大きな費用が掛かる場合があります。
そして、あらゆる業種にある事ですが、お店や事務所にお客様が来店・訪問した際に、管理している施設でケガをしたりした場合には、施設賠償責任と言って施設管理者の責任も問われることになります。
企業の場合は、一般の方と違い業務を行い、お金を貰っているからこそ賠償責任が生じやすいのです。
その賠償責任に備えるのが、企業にとっては一番大事だと言えるでしょう。
企業の規模によって変わる保険
企業の保険でも一般の保険と変わらず、自動車保険も火災保険も必要と書きましたが、企業の事業規模によってこれらの保険も少し異なってきます。
例えば火災保険であれば、事業所が複数ヶ所あるような場合(本社と営業所と工場と倉庫などが別々の場所に複数ある場合)には、火災保険をそれぞれで加入するのも良いのですが、企業向けの火災保険で包括してまとめてしまう事で、管理もしやすく保険料も割安に抑えることが出来ます。
また自動車保険の場合には、社用車として9台以上保有している場合にはフリート契約と言ってすべてをまとめなければいけません。
火災保険の場合には、包括契約にするかしないかは自由に決められますが、自動車保険の場合には規定がしっかりとあり、同一所有者・使用者の自動車が9台以下の場合にはノンフリーと契約と言って一般の自動車保険と同じ保険に加入できますが、9台以上になった場合にはフリート契約と言ってまとめなければいけないのです。
またフリート契約の場合は、年間の事故数などで保険料が変わりますので、1台が事故を起こすとその他の自動車の保険料も高くなると言う少し連帯責任的な保険となりますが、管理もしやすく逆に1事故ぐらいであれば(事故の状況等にもよる)保険料のアップが無かったりなどのメリットも沢山あります。
また従業員のケガなどの補償や、自動車通勤を認めている事業者であれば使用者責任として通勤に使う車の保険加入の有無の管理などもしなければいけません。
個人的に事業を行っている場合には、個人の保険に加入しておけばいいのですが、事業規模が大きくなると、それなりに企業向けの保険に加入しなければいけないという事です。
主な企業向けの保険とは?
主な企業向けの保険には、すべてを包括的にカバーする保険や自分に必要な補償のみを選択できる保険など多くあります。
各損害保険会社が、企業向けの火災保険や賠償責任保険などを販売しています。
- 東京海上日動「超ビジネス保険(事業包括保険)」
- 三井住友海上「プロパティ・マスター(企業財産包括保険)」・「ビジネスプロテクター(賠償責任保険)」など
- 損保ジャパン日本興亜「事業活動総合保険(ビジネスマスター・プラス)」・「企業総合補償保険(オールリスク型)」など
各社ともに、様々なリスクを包括的にまとめられる商品が、現状の主力商品であると言えるので、今まで保険に加入していたけど、見直しもしていないなどと言う場合にはリスクの再確認と保険の見直しも必要と言えるでしょう。
まとめ
今回は企業向けの保険について少し解説しました。
事業者にとっては、様々なリスクがあるので保険も多岐に亘ります。
少し前まではリスクごとに保険があり、その都度で保険に加入したりしていましたが、現在では保険会社も出来るだけ保険契約が欲しい事もあり、様々なリスクを包括的に補償できる商品を主力としています。
また補償内容なども飛躍的に良くなっていますので、「親の代からお世話になっている保険だから」、「保険の内容はよく解らないけどずっとこの保険だから大丈夫だろう」と言う方は、少し見直してみるのも必要ではないでしょうか?
また、これから事業を始めると言う方は、まず個人向けの保険に加入して事業規模が大きくなるにつれて保険もしっかりと掛け直すようにしましょう!!
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