『生命保険は必要だと思うけれど、用語や種類も多く内容も難しそうだから苦手』
と言う方、意外といませんか?
必要性は解っていても、『内容が解りにくい』・『保険商品も多い』という事から、ついつい後回しになりがちな生命保険ですが、生命保険の内容って意外と簡単なのです。
今回は、生命保険の難しいと思われがちなところを簡単に説明します。
目次
生命保険とは
まず『生命保険とは何か?』を一言で言うと『人に関する保険』です。
【不幸にも亡くなってしまった時】・【病気やケガで入院や手術をした時】など、人が生きていく中で負うリスクを金銭的にサポートするのが生命保険なのです。
基本的にはこれだけなのです。
そんな生命保険には、【死亡保険】・【医療保険】・【がん保険】・【養老保険】・【学資保険】など多岐にわたる種類があります。
また、一生涯保障される【終身型】と、一定期間の保障である【定期型】の2つの保険期間が存在します。
この保険種類と保険期間を混同したり、理解できなくて「難しい」・「複雑だ」と言う感情を持つ方が多いのです。
生命保険の種類と保険期間
それでは、皆さんが「難しい」・「複雑だ」と思う主な原因となる、『保険の種類』と『保険期間』について、それぞれを分けて簡単に説明をしていきます。
混同して考えるので複雑に感じますが、基本さえ押さえてしまえば簡単なので読んでみてくださいね。
保険種類は大きく分けて3つ
保険の種類は大きく分けて3つだけです。
それぞれの主な保険商品も併せて紹介しておきますので、どの保険がどの種類なのかも照らし合わせて見てくださいね。
- 死亡保険
- 生存保険
- 生死混合保険
死亡保険
死亡保険とは、そのままですが、被保険者(保険の対象となる人)が死亡した際に保険金が支払われる保険です。
【低解約返戻金型終身保険】や【収入保障保険】などが、主な保険になります。
生存保険
生存保険とは、被保険者が生きている間のリスクをサポートする保険です。
【医療保険】や【がん保険】などが、主な保険になります。
生死混合保険
生死混合保険とは、被保険者が生きていても、亡くなっても、高度障害状態になっても保険金・満期金が受け取れる保険です。
【養老保険】や【学資保険】などが、主な保険となります。
各保険会社から、様々な商品名の保険商品が販売されていますが、生命保険はこの3つの種類でしか構成されていません。
これが基本ですので、覚えておいてくださいね。
保険期間は2つだけ
その保険の保障が有効な期間を指す『保険期間』は2つしかありません。
これも、意外と簡単なのでしっかりと覚えておいてくださいね。
- 終身型
- 定期型
終身型
終身型とは、保険期間が一生涯の保険であり、契約を解約しない限り死ぬまで保険が有効となる保険期間です。
主に、死亡保険や医療保険で選ばれる保険期間となっています。
定期型
定期型とは、10年や20年と言った一定期間の保障期間の保険です。
一定期間の保障なので、終身型よりも月々支払う保険料は安くなりますが、満期と言う保険期間の終了日があり、保障を継続したい場合には契約を【更新】しなければいけません。
また、保険料は更新時の年齢に応じた保険料となりますので、同じ保障で契約の更新をすると、更新ごとに保険料が高くなっていきます。
主に、国内生命保険の商品に多い保険期間となっています。
また、死亡保険である【収入保障保険】は、この定期型の保険となっています。
保険期間はこの2つしかありません。
因みに、生死混合保険と言われる、養老保険も、この定期型の保険となります。
死亡保険の特徴
死亡保険の特徴は、被保険者と言われる保険の対象となる人が亡くなってしまった場合に保険金が支払われる保険と言う事です。
この死亡保険には「終身型」と「定期型」があります。
終身型は確実に保険金を受け取ることが出来る代わりに保険料は少し高めです。
一方の定期型は、保険期間中に被保険者が亡くなれば保険金を受け取ることが出来ますが、健康で生き続けていれば、保険金を受け取ることなく保険期間が終わるため、掛け捨ての保険と言われています。
掛け捨ての保険なので、終身型よりは月々の保険料が安くなります。
主な死亡保険には【低解約返戻金型終身保険】や【収入保障保険】などがあります。
医療保険の特徴
医療保険の特徴は、被保険者と言われる保険の対象者が、病気やケガで入院や手術をした時に給付金などが支払われる保険と言う事です。
この保険にも、「終身型」と「定期型」の2つがありますが、現在の主流は「終身型」となっています。
また、この医療保険は各生命保険会社が力を入れている保険種類ですので、保険料の安さ・保障内容の充実など、保険会社の商品によっても特徴が異なりますので、選択肢が多くなることから商品選びが難しいかもしれません。
がん保険の特徴
がん保険の特徴は、医療保険の仲間で「がん治療」に特化した保険と言う事です。
従来のがん保険は、がん治療による入院を保障していたものが多かったのですが、近年では通院や一時金など、入院の保障だけではなく通院治療などに特化した保険も多くなり、がん保険の保障内容も多様化しています。
がん治療に関しては、医療技術が日々進歩している事で治療内容も大きく変わってきている事で、がん保険の内容もそれに合わせて変化しています。
がん保険に関しては、別の記事で詳しく解説します。
また、がん保険にも「終身型」と「定期型」がありますが、この保険も主流は「終身型」となっています。
養老保険の特徴
養老保険は、定期型の死亡保険であり、満期に向けて満期保険金を貯める貯蓄型と言われる保険であり、保険期間中の死亡保険金と満期時の満期保険金が同額になる保険となっています。
そのため、生死混合保険とも言われ、月々の保険料は、同じ死亡保険の「終身型」と「定期型」と比べても一番高くなる保険です。
死亡時の保障と貯蓄の両方が出来て、金融情勢が良いときには配当なども付いたことで貯蓄性が高く人気を博した保険ですが、現在の金融情勢では、その強みもなくなり保険料も高いため、各保険会社は力を入れなくなった保険商品の一つです。
『大きく増える事は無いけれど、死亡にも備えながらお金を貯めていきたい』と言う方には向いていると言えるでしょう。
学資保険の特徴
学資保険の特徴は、子供の将来の教育資金を準備する保険と言う事です。
貯蓄性が高い商品が多く、高校入学や大学入学などの大きなお金が必要な時に向けてコツコツとお金を貯める保険です。
また、こども保険と混同する方も多いですが、子供保険は教育費の貯金と言うよりも子供の病気やケガに備える保険ですので、内容が大きく異なることが多いので、別の保険と考えてください。
学資保険は基本的に定期型の保険となります。
近年では貯蓄性を重視するために、学資保険の代わりに死亡保険の終身型を使う事もありますが、これに関しては別の記事で詳しく解説します。
保険は若いうちに入るのが良い!?
「保険には若いうちに入っておいた方が良いよ!」
と聞くことはありませんか?
これは、保険契約を勧める売り文句の一つではあるのですが、あながち間違いではありません。
このセールストークはどうの様な意味があるのでしょうか?
ここではこの真意について少し解説します。
保険料の差はあるのか?
この若いうちと言うのは、病気もしていない健康な状態のうちに保険に加入した方が良いという事と、生命保険は若ければ若いほど保険料は安くなります。
その事から、「保険は若くて元気なうち」とよく言われます。
しかし保険料だけでみると、20代でも30代でも月々の保険料に大きな差はなく、せいぜい数千円程度の差です。
総支払保険料を見ると差が出てきますが、保険料払込期間などで調整は出来ます。
怖いのは、病気をすること!
死亡保険・医療保険・がん保険に関しては、加入申し込み時に健康状態の審査を行います。
自己申告の告知書もあれば、保険会社指定の医者に診てもらう場合もあります。
医療保険に関しては、過去に病気や通院歴があると加入しにくくなります。
多くの方は、病気を患い入院や手術をした後に医療保険の必要性に気付きます。
しかし、病気をしてしまうと通常の医療保険には加入しにくくなるという事は覚えておきましょう。
終身型と定期型では何が違う?
終身型と定期型の違いは、保険期間の違いと保険料の違いです。
それぞれの特徴を少しだけ解説します。
終身型保険の特徴
終身型の保険は、一生涯の保障であり被保険者である、保険の対象の人が亡くなるまで保険期間がある保険です。
死亡保険はもちろんですが、特に医療保険やがん保険に多く選ばれる保険期間です。
定期型保険の特徴
定期型の保険は、ある一定期間だけを保障してくれる保険です。
大きな保障額を割安で準備できるのが特徴で、子育て期間中など残された家族のために大きなお金を残したい方に向いている保険です。
この定期型は、主に死亡保険で多く選ばれる保険期間です。
終身型と定期型では同じ保障額でも保険料は違う?
「終身型」と「定期型」とでは、同じ保障額でも保険料は大きく異なります。
それは、保険会社が保険金や給付金を支払うリスクの違いです。
終身型は保障期間が長いために、保険金や給付金を支払う可能性が高くなりますが、定期型は保障期間が一定期間なので、保険金や給付金を支払う可能性は低くなります。
単純に保険金の支払いに備えるための純保険料が大きく異なるために、保険料に差が生まれるのです。
解りやすく言うと、死亡保険の場合、終身型であれば保険会社は死亡保険金または解約返戻金を必ず支払わなければいけませんが、定期保険の場合は保険期間中に被保険者が亡くならなければ保険金を支払う事はありません。
また、定期保険の場合には解約返戻金は微々たるものなので、保険会社からすると出ていくお金が少なくて済みます。
保険会社が保険金・給付金を支払うリスクが異なるため、終身型と定期型では保険料が異なるのです。
終身型と定期型のニーズの違い
生命保険には終身型と定期型がありますが、それぞれにニーズが異なります。
簡単に言うと、一生涯の保障が必要な人は「終身型」、一定期間だけの保障が必要な人は「定期型」と言うだけですが、死亡保険の場合には目的によって選び方が変わります。
自分の葬式代や老後資金の準備と言う目的であれば「終身型」を選択し、子供が独立するまでの期間など一定期間に大きな保障が必要なのであれば「定期型」と目的によって選択する形が異なります。
この違いや商品に関しても、別の記事で細かく解説をします。
まとめ
今回は、生命保険の基本的な特徴や種類に関して少し解説しました。
生命保険は3つの種類と2つの形があるという事をまず覚えましょう。
3つの種類は「死亡保険」「生存保険」「生死混合保険」であり、2つの種類は「終身型」「定期型」の2つです。
基本的には、生命保険の多くはこの組み合わせだけで構成されています。
商品名などに惑わされがちですが、気になる保険があれば一度この種類と型を当てはめてみて、この保険はどういった保険なのかな?と考えてみてください。
意外と簡単に見えてくる事でしょう。
コメントはまだありません