
明治安田生命の外貨建て保険には、「つみたてドル建終身」「期間がえらべる一時払終身保険」「贈与がかんたん一時払終身保険」「米ドル建一時払養老保険」の4つの保険商品がラインアップされています。
今回はその中の一つである、「米ドル建一時払養老保険」について解説をしていきます。
あまり馴染みのない保険商品と言う方も多いかもしれませんので、養老保険とはどんな保険なのかと言う基本的なところも併せて解説をしていきます。
「米ドル建一時払養老保険」とは一体どんな商品なのか?という所を一緒に見ていきましょう。
目次
明治安田生命「米ドル建一時払養老保険」はこんな商品!
明治安田生命の「米ドル建一時払養老保険」を一言で解説をすると【保険料を一括で支払う養老保険】です。
少し解りやすく解説をすると、一括で支払った保険料が10年間の死亡保険金になり、10年後に満期保険金として少しお金が増えて戻ってくる保険です。
また10年間の死亡保険金は、日本円ではなくアメリカドルで保障してくれる保険と言う事です。
商品の説明はこれだけです。
明治安田生命の場合は、保険料の支払いと保険金の受け取りに関する特約があり、保険料を支払うのも保険金を受け取るのも基本的にはすべて日本円で行いますので、外貨建ての保険に加入していると言う意識が凄く薄い保険商品となっていますので、しっかりと仕組みを理解していないと、満期の時に「わぁ!ダマされた!」と思う方も以外に居るかもしれない商品と言えるかもしれません。
しっかりと仕組みさえ理解していれば問題のない保険商品ですので、仕組みについても日にしっかりと解説をします。
明治安田生命「米ドル建一時払養老保険」の基本情報!
それでは、明治安田生命の「米ドル建一時払養老保険」の契約に関する基本情報を少し紹介していきます。
契約に関する基本情報
保険期間:10年
保険料払込期間:一時払
契約可能年齢:契約者 満20歳~満85歳・被保険者 0歳から満85歳
主契約:死亡・災害死亡
特約:円入金特約・円支払い特約(共に必須付加)
上記が、この「米ドル建一時払養老保険」の契約に関する基本情報となります。
先ほども少し解説しましたように、この保険商品の特約には【円入金特約】【円支払い特約】と言う2つの特約が必須付加となっていますので、保険料の支払いと保険金の支払いは基本的に日本円でのやり取りになります。
そのため、契約者は外貨建ての保険に加入していると言う意識が少し低くなる仕組みとなっていますが、私みたいに外貨建て保険に抵抗があるような方にとっては、非常に抵抗が少なくなる仕組みとも言えますね。
この仕組みがあるために、明治安田生命の外交員の方は、顧客に対して勧めやすいのではないかと思います。
また、基本保障は10年間の死亡保障ですが、通常の病気などでの死亡の場合は支払った保険料(米ドルベース)が死亡保険金となり、災害などでの死亡に関しては少し多めの災害死亡保険金(満期保険金と同額)が、この保険の保障内容となります。
そして、契約可能年齢に関しては契約者と被保険者の契約可能年齢が異なりますので、活用の際は気を付けるようにしましょう。
未成年は契約者になれないと言う事だけ覚えておけば問題はないでしょう。
明治安田生命「米ドル建一時払養老保険」の特徴は?
それでは、続いてこの明治安田生命の「米ドル建一時払養老保険」の特徴を解説していきましょう。
この保険は3つの特徴さえ押さえておけば問題のない保険と言えますので、ここで解説する3つの特徴をしっかりと覚えておいてください。
- 保険期間中の死亡保険金は基本保険金額のままにすることで満期保険金を少し多くすることが出来る
- 災害死亡の場合は、保険期間中でも基本保険金額ではなく少し多い金額(満期保険金額相当)で受け取ることが出来る
- 満期の後、最長10年間は【米ドル】で据え置くことが出来る。
この3つがこの保険の特徴となります。
どれも非常に重要な事となりますので、少し解りやすく解説をしておきます。
死亡保障についての解説!
上記の最初の2つに関しては保障部分である死亡保障についての話になりますので、一緒に説明をしてしまいます。
死亡保障に関しては、一時払いをした保険料に応じた米ドルでの金額が死亡保障・災害死亡保障になります。
保険期間中(10年間)の死亡保障に関しては、一時払で支払った保険料に応じた米ドルでの保険金が基本保険金となりますので、その金額が死亡保険金となります。
また、災害での死亡時の場合には先ほどの基本保険金額より少しだけ多い金額である、満期保険金額相当が災害死亡保険金として支払われます。
そして解約返戻金に関しては、契約後2・3年の間は支払った保険料よりも低い金額しか戻ってこないので、途中解約は基本的にしないようにしましょう。
解約返戻金に関しては、契約時に解約返戻推移をしっかりと確認しておくようにしましょう。
満期後の据え置き期間についての解説!
この保険は生死混同保険と言う事で、保険期間中に亡くなってしまった場合には死亡保険金として、保険期間中に亡くならずに元気に満期を迎えた場合には満期保険金を受け取れる保険商品です。
しかし、満期保険金は【米ドル】となりますので、満期時のタイミングで加入時よりも円高になっていた場合には、為替リスクにより元本割れを起こすことになります。
そういった場合を防ぐために、満期後10年間は満期保険金を据え置くことが出来るようになっています。
これは、元本割れを防ぐための特徴でもありますが、為替変動を利用して満期保険金を増やす目的もありますので、もしすぐに満期金が必要ではない場合や為替変動で元本割れを起こすような場合にはありがたい特徴の一つと言えるでしょう。
この仕組みがあるので、外貨建て保険で皆さんが懸念する為替リスクにもある程度対応できて少し安心できる要素となっているともいえるでしょう。
明治安田生命「米ドル建一時払養老保険」の保険料と返戻率
この保険の解説の最後に、保険料と返戻率に関して少し解説をしておこうと思います。
保険料:100万円~5億円
明治安田生命の「米ドル建一時払養老保険」は、100万円~5億円の間で保険料の設定が出来ます。すごく幅広い保険料の設定ですので、贈与や相続にも活用が出来るとも言えますが、この保険で贈与や相続をしようと思うと税金等を計算しないといけないので、そういった使い方と言うよりは、退職金などを利用して少しお金を預けておくようなイメージでの活用がメインとなるでしょう。
返戻率:114.1%(米ドルベース)
この保険の返戻率は、114.1%となっていますが、この返戻率は米ドルでの返戻率となりますので、ここから受け取り時に日本円に両替をしますので、受け取るときの為替によってはもう少し返戻率が上がることもあれば、下がることもあると言う事を理解しておいてください。
先ほども解説したように、円高になっていれば元本割れを起こし、円安になっていればこの返戻率よりも高くなると言う事となります。
あくまでも外貨建て保険ですので、為替リスクと言うものをしっかりと頭に入れておきましょう。
明治安田生命「米ドル建一時払養老保険」はおすすめ出来る?
最後に、この明治安田生命の「米ドル建一時払養老保険」が【おすすめ出来るのか?】と言う事を元保険屋さんの目線で少しだけ書いておきます。
ハッキリ言うと、強くおすすめはしませんが、【銀行にただ置いておくならこの保険を活用しても良いのではないか】程度です。
【円入金特約】【円支払い特約】と言う2つの特約があるため、契約者としては円建ての保険に加入していると言う印象が強くなる保険商品ですが、この保険商品はれっきとした外貨建て保険ですので【為替リスク】がどうしてもネックになります
ノーリスクでお金を置いておきたいと言う方は、銀行に預けておけばいいのですが、少しでも増やしたいなと考えるのであれば、銀行に預けておくよりもお金は増える可能性があるので、そういった方には良いかもしれません。
また、将来の生活費や子供や孫のために確実に残したいお金などを確保するには向いていない保険商品であり、運用の仕方となりますので、あくまでも剰余資金で、少しぐらい損をしても良いか位のお金を運用するようにしましょう。
この保険は満期後に据え置きをすることが出来るので、他の外貨建て保険よりはリスクは低めとはなりますが、運用をするときは【外貨建て保険】だと言う事をしっかりと念頭に置いておきましょう。
まとめ
今回は明治安田生命の「米ドル建一時払養老保険」について、商品の紹介や解説をしていきました。
米ドル建などの外貨建て保険と聞くだけで、「外貨建ての保険だから危険なんじゃないの?」「外貨建ての保険ってなんか解り辛くて・・・」と嫌煙する方も多いのではないでしょうか?
私も正直なところを言うと、外貨建て保険にはあまり良いイメージはありません。
保険屋さんをしているときに、外貨建ての保険を検討しているお客様などから、意見を求められると正直に「イメージは良くないです!」とよく答えていました。
外貨建て保険は外資系の保険会社が積極的に販売していた事や、金融機関の窓口で説明不足などの問題もあり、この様なイメージが先行しがちですが、近年では国内生命保険会社も外貨建て保険を販売し始めたことで、少しずつハードルも低くなってきているイメージはあります。
明治安田生命の保険をよく言うつもりもないのですが、保険料を日本円で支払い、保険金も日本円で受け取れると言う面では、非常に安心感のある保険ともいえるかもしれません。
しかし、先ほどから言っているように、安心感のある保険ですが勘違いしないようにしなくてはいけないのは、これは【外貨建て保険】と言う事です。
何度も言うと言う事は大事な事ですので最後の最後にもう一度だけ言っておきます。
仕組みとリスクをしっかりと把握して選ぶようにしてください。
悪く言う訳ではありませんが、明治安田生命の外交員の方の中には、この保険の仕組み・リスクをしっかりと把握していないと言う方も居るかのせいもあります。
「保険料も保険金も日本円で安心ですよ!」「銀行に預けておくよりも貯蓄性がありますよ!」と言う事だけでセールストークをするような人は危険だと思っておいてくださいね。
外貨建て保険だと言う事は、メリットもあればデメリットもあり、円建て保険にはないリスクもしっかりとある保険ですので、そこだけは忘れないでください。
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