明治安田生命の学資保険である「つみたて学資」は、受取率(返戻率)の高さを売りにしている商品ですが、普通に使う場合の返戻率は他社商品よりも低くなってしまいます。
少し特徴的な保険料の支払いをすることで、他社を凌駕する返戻率を叩き出すのですが、ハードルは決して低くありません。
今回は、明治安田生命の学資保険である「つみたて学資」を出来るだけ上手く使い、より効率的に子供の学費を準備する方法と、保険内容や保険料なども併せて解説をしていきます。
目次
明治安田生命「つみたて学資」の返戻率は最大で109.3%!?
明治安田生命の学資保険である「つみたて学資」は、高い返戻率を売りにしている商品であり、最大で109.3%と言う数字を叩き出します。
これは、現在販売されている学資保険の中ではトップクラスと言って良いでしょう。
しかし、この数字は20歳の女性で保険料を一括で支払った場合の数字となります。
また、30代では男女ともに約109%となることから、大きな差はありませんが、あくまでも保険料を一括で支払った場合の数字となります。
その一括で支払う保険料と言うのは、約274万円となっています。
この274万円を支払うことが出来れば、約26万円増えた300万円の学資保険金を受け取ることが出来るのです。
現実的に、子供が生まれてすぐの家庭で約274万円を一括で支払える家庭がどれだけあるでしょうか・・・・
保険料を一括で支払える方法は意外とある!?
現実的に保険料を一括で支払う事は困難な事だと思い諦める方も多いと思いますが、意外と保険料を一括で支払う事は難しくなかったりします。
要は、生まれたお子さんの祖父母である、あなたのお父さんお母さんに援助をして貰うことが出来れば、無理な数字ではないのではないでしょうか?
ただし、後述しますが契約者の年齢範囲を考えると、どうしても祖父母の方が契約者にはなれないので、【贈与】と言う形をとらなければいけません。
日本の税法で非課税が認められているのは、【年間110万円までの贈与】・【教育資金の一括贈与(1500万円まで)】・【子育てのための贈与(1000万円まで)】などになりますが、考える中で使える非課税贈与は【年間110万円までの贈与】となりますので、この金額内の贈与を活用すれば、274万円を捻出することは決して難しい事ではないのではないでしょうか?
あなたが両親から110万円を贈与し、配偶者の方が両親から110万円を贈与すればそれだけで220万円になりますよね?
後の約54万円は自分たちで捻出するもよし、年を跨いで翌年に新たに贈与してもよし、方法はいくつもあるはずです。
しかしこの方法は、あくまでもご両親が援助の意思があるかどうか、ご両親との関係性、配偶者の方の考え方など、いろいろと問題がありますので、誰でも出来る事ではないでしょう。
全部自分たちで何とかしたい、自分たちの貯金でこれぐらいなら支払うことが出来るなど、人によって状況や経済力も変わりますので、あくまでも方法の一つとして参考にしてください。
明治安田生命「つみたて学資」はこんな保険!
さて、ここからは明治安田生命の学資保険である「つみたて学資」の内容について解説をしていきます。
この保険は簡単に言うと、10年や15年の期間で保険料を支払い貯まったお金を18歳から4年間の年金形式で学資金を受け取ると言う保険商品となっています。
個人年金保険に非常に似ている保険商品と言う事です。
それでは、保険契約に関する概要や内容について少し詳しく書いていきましょう。
「つみたて学資」の契約に関する概要
ここでは保険期間や契約者の年齢条件などを少し紹介していきます。
保険期間:21歳満期
保険料払込期間:10歳まで・15歳まで・保険期間と同一(21歳まで)・全期前納払(一括支払い)
※10歳までの支払い期間は被保険者である子供が0歳~2歳までとなります。
契約可能年齢:【契約者(親)】満18歳~満45歳まで・【被保険者(子供)】0歳~満6歳
※被保険者が満2歳以上の場合は、契約者は満40歳までとなります。
少し概要についてまとめておきましょう。
保険期間は21歳までとなっていますが、これは満期が21歳と言う事であり、後述しますが学資金は18歳から受け取ることが出来ます。
保険料払込期間に関しては、10歳まで・15歳までの期間での月々の支払いがメインとなるでしょう。一応保険期間と同一と言うのも設定はされていますが、返戻率も悪くなりますので、この払込期間を設定する人はあまりいないと言えるでしょう。
契約可能年齢に関しては、満45歳までとなっていることから、基本的にはお子さんのご両親である、あなたか配偶者が契約者となる事でしょう。
この年齢制限があるために、祖父母を契約者にして教育資金の援助を直接してもらうと言う事が出来ないのです。
祖父母が契約者になると、贈与の面や健康状態・保険料払込免除の問題など、多くの問題が発生する可能性があるので、年齢制限があるのは意外とありがたいかもしれないですね。
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明治安田生命「つみたて学資」の内容は?
明治安田生命の学資保険「つみたて学資」の内容について少し紹介していきましょう。
明治安田生命の「つみたて学資」は、先ほども少し書きましたように18歳から学資金を受け取れる保険商品となっています。
少し詳しく書くと、18歳・19歳・20歳の3回は【教育資金】と言う名目で、21歳の満期時は【満期保険金】と言う名目で、合計4回の学資金を受け取ることが出来る学資保険です。
また18歳から年金形式で受け取るタイプのため、大学で掛かる費用を準備するタイプの学資保険と言えるでしょう。
また、この保険に仕組みとしては先ほども書いたように、【保険料払込期間中に保険料としてお金を積み立て、貯まったお金を18歳から21歳まで年金形式で受け取る】という、個人年金保険と同じような仕組みの保険となっています。
明治安田生命の「つみたて学資」の2つの特徴を紹介!
明治安田生命の「つみたて学資」には2つの特徴があります。
- 保険料を一括払いすると受取率(返戻率)が最大で109.3%になる
- 学資金である【基準保険金額】が70万円以上の場合には【高額割引】が適応される
この2つが大きな特徴となります。
保険料の一括払いに関しては、記事の冒頭でも書いたように保険料が高額になるのでまとまった資金がある方のみ活用できる保険料の払い込み方法となります。
返戻率が高くなるのは、一括払いの場合のみとなっています。
その他の支払い方法により返戻率は、次章の保険料例で解説をします。
また、もう一つの特徴と言える【高額割引】ですが、学資金として200万円を受け取るのか、300万円を受け取るのかで保険料が異なり返戻率も異なります。
学資金としていくら受け取りたいのか、いくらの保険料を支払いえるのか?という所をしっかりと考えて保険金額を決めましょう。
明治安田生命の「つみたて学資」の保険料例を紹介!
明治安田生命の「つみたて学資」の保険料例を紹介しておきましょう。
条件:契約者(親)25歳・被保険者(子供)0歳
受取総額300万円の場合の保険料と返戻率
保険料払込期間 | 契約者が男性の場合 | 契約者が女性の場合 |
10歳まで | 23,623円
(105.8%) |
23,580円
(106.0%) |
15歳まで | 15,970円
(104.3%) |
15,926円
(104.6%) |
一括払込 | 2,749,776円
(109.0%) |
2,744,750円
(109.2%) |
受取総額200万円の場合の保険料と返戻率
保険料払込期間 | 契約者が男性の場合 | 契約者が女性の場合 |
10歳まで | 15,899円
(104.8%) |
15,870円
(105.0%) |
15歳まで | 10,797円
(102.9%) |
10,768円
(103.1%) |
一括払込 | 1,851,139円
(108.0%) |
1,847,788円
(108.2%) |
上記が保険料例となりますが、受取総額が300万円の方は【高額割引】が適応されますので、保険料が少し安くなることから返戻率が高くなります。
また、男性と比べて女性の方が保険料は安くなりますので、学資保険を契約する場合には女性が契約者になる方が得であると言う事も併せて覚えておいてくださいね。
そして、契約者が若ければ若いほど保険料も安くなりますので、返戻率も自然と高くなります。
明治安田生命の「つみたて学資」はおすすめ出来る!?
最後にこの保険がおすすめ出来るのか?という所を少し書いておきましょう。
この保険に関しては、まとまったお金があれば非常に魅力的な学資保険と言えますが、月々コツコツと積み立てるのであれば、あまりおすすめ出来る保険商品ではありません。
学資保険で人気があるのが、日本生命「ニッセイ学資保険」・ソニー生命「学資金準備スクエア」・フコク生命「みらいのつばさ」の3商品と、この「つみたて学資」の4商品となっています。
毎月コツコツと保険料を払うのであれば、日本生命とソニー生命の商品は返戻率が107%前後となっているため、それらの商品の方が効率的に学資金の準備が出来ると言えるでしょう。
この「つみたて学資」に関しては、ハッキリ言うと一括払いできないのであれば、選択肢に入れないのが良いと言えるでしょう。
まとめ
今回は、明治安田生命の学資保険である「つみたて学資」に関して紹介しをしました。
この保険を最後に少しだけまとめると、大学生になったときに掛かる費用を準備する保険であり、保険期間中に子供がもしも亡くなってしまった場合は積み立てたお金が死亡保険金として支払われる内容となっています。
また、保険料払込期間中に契約者が亡くなってしまったり、高度障害状態になった場合には保険料の払い込みが免除されますので、その辺りも併せて覚えておいてください。
学資保険に関しては、マイナス金利導入後、各社商品を改定して返戻率が下がっているのが現状です。
返戻率が100%を割っている商品も多くなってきていますので、子供の学費をどのように準備をするのか?と言うのもよく考えていかなければいけない時代となっています。
「子供が生まれたから学資保険に加入しなさい」と呪文のように言われていた時代ではないので、投資なども含めて子供の将来のお金をどのように準備するのかしっかりと考えるようにしましょう。