
年末調整や確定申告をするときに耳にする「生命保険料控除」ですが、どのようなものか知っていますか?
会社員の方は年末調整で、自営業やフリーランスの方は確定申告の時に、保険会社から送られてくる「生命保険料控除証明書」を書類と共に提出していることでしょう。
この生命保険料控除について「よく解っていないけど今さら聞けないな・・・」と思っている方に向けて、誰でもわかるように生命保険料控除について元保険屋の私が説明します。
目次
生命保険料控除を説明する前に・・・
まず生命保険料控除ってなに?という所から説明していきたいのですが、その前段階である所得税・住民税・課税所得という所を説明します。
これを知っておかなければ、生命保険料控除が何かわかりません。
所得税と住民税
所得税と住民税と言うのは、会社員や自営業・フリーランスなどお金を稼いだ人が支払う税金です。
お金を稼いだ人と言うと少し語弊があるかもしれませんが、基本的に所得(稼ぎ)に対して係る税金となっています。
所得税は国に治める税金であり、住民税は各都道府県に治める税金となっています。
課税所得
課税所得とは先ほど説明した所得税と住民税を決める所得額の事であり、会社員の方であれば月々の給与の額面上の金額ではなく年末調整後の所得額の事になります。
自営業・フリーランスの方であれば、純粋に稼いだお金ではなく必要経費や様々な控除をした後の所得となります。
簡単に言うと、稼いだお金から決まった金額を差し引いた金額と言う事であり、この差し引く金額を「控除」と言うのです。
また、この課税所得が低ければ低いほど所得税や住民税が安くなり、高ければ高いほど所得税や住民税は高くなります。
要は、たくさん稼いだ人からはたくさん税金を貰い、あまり稼いでいない人からはあまり税金を貰いませんよ!と言う事です。
生命保険料控除とはなに?
それでは生命保険料控除について説明していきましょう。
生命保険料控除とは、先ほど説明した課税所得を出す際に、実際の所得から差し引く金額の1つです。
課税所得を出す際に差し引かれる「控除」には生命保険料控除のほかにも、「基礎控除」「社会保険料控除」「地震保険料控除」「扶養控除」などなど、いくつかの種類があります。
この生命保険料控除は生命保険会社の販売する「死亡保険」「医療保険・がん保険・介護保険など」「個人年金保険」に加入していて、1月から12月までの間に支払った保険料が対象金額となります。
また、支払った保険料の全額が控除対象になるのではなく、生命保険料控除には上限額が決まっています。
そして、税制の改正があり加入している生命保険の契約した年月によって、新制度と旧制度と分けられています。
簡単に言うと、1年間に支払った保険料を上限額までの金額で所得から差し引いてくれるという事です。
生命保険料控除の対象となる保険はなに?
生命保険料控除の対象となるのは、生命保険会社が販売する、死亡保険・医療保険・がん保険・収入保障保険・所得補償保険・個人年金保険などなどになります。
基本的に契約期間が5年超の保険であれば生命保険料控除の対象となります。
また、それぞれの保険商品で控除の枠が異なりますので、その辺りを少し説明しておきます。
生命保険料控除の控除枠
生命保険料控除には新旧の制度があり、平成24年1月1日以降の契約は新制度であり、それ以前の契約は旧制度の控除枠の使用になります。
旧制度では、死亡保険・医療保険・がん保険など一般的な生命保険はすべて「一般生命保険料控除」の枠となり、個人年金のみが別枠で「個人年金保険料控除」の対象となります。そしてそれぞれの控除枠は所得税で5万ずつの全体で10万円まで、住民税でそれぞれ3.5万円ずつの全体で7万円までの控除額となっています。
新制度では、死亡保険や養老保険は「一般生命保険料控除」の枠となり、医療保険やがん保険や介護保険と言った入院等に備える保険は「介護医療保険料控除」の枠となり、個人年金保険は「個人年金保険料控除」の枠となります。
違いは「介護医療保険料控除」が新設されたという違いです。
また、それぞれの控除額の上限が所得税で4万円ずつの全体で12万円まで、住民税で2.8万円ずつの全体で7万円までと、所得税に関しては控除額の上限が増えたことになります。
控除枠の活用方法などは、今回は割愛させていただきますが、過去の記事でも解説していますので、そちらを見ていただければと思います。
生命保険料控除の対象ではない保険とは?
意外と勘違いする方もいるかもしれませんが、「事故や災害で死亡した場合に保険金を支払います」と言う傷害保険は生命保険料控除の対象とはなりません。
当たり前の話ではあるのですが、傷害保険は損害保険会社が販売する損害保険の1つであり生命保険ではありません。
死亡の補償があるから生命保険ではないのか?と勘違いする方も居るのですが、死亡を補償するものがすべて生命保険ではないと言う事です。
生命保険料控除はあくまでも、生命保険会社の販売する保険商品であり保険期間5年超の保険が対象となります。
また、生命保険でも少額短期保険や1年更新の短期保険と言うのは、保険期間が5年未満の保険であることから、生命保険料控除の対象とはなりません。
簡単に説明すると、生命保険会社の販売する保険期間5年超の保険商品が「生命保険料控除」の対象となり、それ以外は対象外と言う事です。
まとめ
いかがでしたか?基本中の基本の解説でしたので、それぐらい知っているよ!と言う方も居らっしゃったかもしれませんが、基本の基本と言われると自分が知らなかったらなかなか人には聞けないものですよね・・・・
今回の記事では、本当に基本的なところをだけを解りやすく説明しました。
また、これから生命保険に加入を考えている方は、加入を考えている保険商品はどの控除枠が使えるのかな?と言う事も考えて出来るだけ所得税を抑えるように考えてみるのも良いかもしれませんね。
年末調整や確定申告の時に、ただ単に「生命保険料控除証明書」を提出するだけではなく一度中身をしっかりと見てみるのも勉強になりますよ!
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