定期保険といえば、「一定の期間を保障しますよ!」という簡単に言うと、掛け捨ての保険であり、医療保険にも死亡保険にも存在する保険期間の1つです。
大きな特徴としては、保険料の安さが魅力の商品ではありますが、この保険期間の商品は実際のところ良いの?悪いの?と考えている方も多いのではないでしょうか?
そこで、今回は私の独断ではありますが、定期保険は本当におすすめできるのか?というところを元保険屋さんとして少し解説をしていきます。
考え方やニーズによっては、定期保険をすすめることもありますので、そのあたりの根拠などを少し解説します。
目次
定期保険はおすすめできるのか?
結論から書きていきましょう!!
定期保険は保険の種類によってはおすすめできますが、保険の種類によっては全くおすすめしません。
これが結論です!!
冒頭の書き出しでも書きましたが、定期保険というのは保険期間(保障される期間)の種類の一つであり、死亡保険にも医療保険にも適応される保険期間となります。
そのため、死亡保険では大きな死亡保障を一定期間だけ準備するという考え方であれば定期保険はおすすめできますが、残された家族に確実にお金を残したい!という考え方であれば全くおすすめできないのです。
また、医療保険に関して言えば一定期間の医療保障を準備すること自体がナンセンスだと思っていますので、そもそも話のテーブルにすら上げません。
要は、保険に加入を考えている方の考え方・ニーズによって変わるということです。
死亡保険ではなぜおすすめできるの?
先ほども少し書きましたが、定期保険をおすすめできる保険種類の一つが死亡保険です。
死亡保険には大きく分けて、終身保険と定期保険があり、加入比率でいうと半々くらいと言えるでしょう。
これは、死亡保険にはいくつものニーズ・考え方があるので、ニーズに合わせて保険を選ぶとどちらの保険も有効といえるからなのです。
終身保険を選ぶ場合
終身保険を選ぶ場合は、先ほども少し書きましたように「残された家族に確実にお金を残してあげたい」と言う考え方をしている方に選ばれる保険期間となっています。
死亡保険の保険金支払い条件は、被保険者(保険の対象となる人)の死亡となります。
終身保険では保障期間が一生涯ということで、死ぬまで保障があることから確実に保険金が支払われることになります。
そのことから、確実に保険金を残したい方には、終身保険が合っているのです。
定期保険を選ぶ場合
定期保険を選ぶ場合は、「子供が独立するまでの間にもしものことがあったら困るからその時だけ死亡保障が欲しい」と言うような、一定期間だけの保障が必要だと考えている方に選ばれる保険期間となっています。
定期の死亡保険の大きな特徴は、大きな死亡保障を手軽な保険料で準備できると言うところです。
テレビCMなどで、「30代男性で1000万円の死亡保障が月々500円から!」と言う様な保険が定期の死亡保険なのです。
こう言った保険の多くの保険期間は10年間となっていますので、10年経てば保障は無くなりますので、掛け捨ての保険と言われています。
よく選ばれている定期保険は?
ここまで書いても、掛け捨ての保険に抵抗のある方も多いかと思います。
しかし収入保障保険と言う死亡保険を聞いたことはありませんか?
収入保障保険は、典型的な定期の死亡保険なのですよ。
収入保障保険の特徴は、保険期間中に被保険者がもしも亡くなってしまった場合に、保険期間終了まで年金型で死亡保険金を受け取れる仕組みとなっています。
また、保険期間中に保障される金額(死亡保険金)が、どんどん少なくなることで、保険料も通常の定期保険よりも安く設定されています。
保障額が少なくなると言われると、損した気分になるかと思いますが、この保険の特徴の一つである保険金の支払いが年金型と言うことから、保険期間が進めば年金形式で受け取る期間も少なくなりますよね?そのことから、保障額が少なくなるのです。
少し具体的に書きましょう。
30歳の方が、死亡した場合に毎月10万円の保険金支払いのある収入保障保険に60歳までの期間で加入したとしましょう。
35歳でもしも亡くなってしまった場合には、保険期間の残りは25年間ありますので、支払われる保険金の総額は、「10万円×12か月×25年間=3000万円」となります。
しかし、50歳でもしも亡くなってしまった場合には、保険期間の残りは10年間であることから「10万円×12か月×10年=1200万円」となるのです。
このもらえる金額と言うのが、保障額と言うことです。
こう書けば少し解っていただけたのではないでしょうか?
そして、現在では定期保険の代表格はこの収入保障保険となっているのです。
定期医療保険はまったくおすすめ出来ない!
死亡保険に関しては、定期保険もおすすめできるのですが、定期保険で全くおすすめ出来ないのが、この定期医療保険です。
販売している商品も少なく、医療保険の主力は終身医療保険となっているので、あまり目にすることはないかと思いますが、保険料が数百円の医療保険や大手国内生命保険会社の売っているパッケージ商品の中にある医療保険などは、保険期間の決まっている定期医療保険となっています。
なぜ、この定期医療保険は全くおすすめ出来ないのかと言うと、この定期医療保険に限らず定期保険には「更新」と言う言葉がついて回ります。
要は、保険期間が決まっていることから、保険期間終了後に継続するかしないかの選択をしなければいけないのです。
そして、継続をしたとしても継続した時の年齢で保険料を再算出する事から、更新をするたびに保険料が上がっていく仕組みとなっています。
また、定期保険の多くは80歳までしか加入できない場合が多く、医療保険に限って言えば医療保険の恩恵を受ける可能性が高くなるのは60歳以降と言われています。
要は60歳以降には病気になる可能性が高くなるからと言う事ですが、定期の医療保険を更新し続けると、この60代以降の月々の保険料が2~3万円となることも珍しくありません。
そして、80歳以降は更新できないとなるとどうですか?
「月々の保険料は高くなるし、長生きすれば保障が無くなる可能性がある」と言う事が安易に考えられますよね?
これから医療保険への加入を考えている方であれば、今の主力商品が終身医療保険であるので、間違った選択をする方は少ないと思いますが、注意しなければいけないので40代後半以降の方々です。
その世代の方と言うのは、生命保険は国内生命保険会社が販売するパッケージ商品が全盛の頃に生命保険に加入している可能性があり、医療保険に限らず死亡保障など多くの保険が「更新型」となっていることがあります。
この「更新型」の保険に入っている方が定年後の更新時に保険料と保障内容を見て唖然とするケースが多くなっています。
決して悪い商品と言うわけではありませんが、個人的に医療保険に関して定期保険は全くおすすめ出来ないと言う事です。
まとめ
定期保険と言っても、それぞれに特徴のある保険だと言う事が解っていただけたかと思います。
定期保険は保険期間の一種であり、一定期間の保障をする保険です。
そのために、考え方やニーズによっては凄く有効な保険とも言えますし、保険種類によっては全くおすすめの出来ない怖い保険ともいえるのです。
生命保険って難しいというイメージが世の中には付いてしまっていますが、意外と簡単なものなのです。
私も、元保険屋さんなので、ある程度は詳しいですが決して勉強ができるタイプでもなく、学校での成績は低い方でした。
そんな私でも、保険の基本さえしっかりと理解できれば、保険について解説できるのです。
生命保険は解りにくいもの・複雑なものと言うイメージは、これまで売っていた方があまり知識なくパッケージ商品を闇雲に売っていたために付いてしまった負の遺産だと思っています。
国内生保の販売するパッケージ商品は、少し知識があればすぐに内容の解るものとなっていますが、一般の方では少し解りにくいと思われるように出来ています。
しかし、現在の生命保険は必要な保障を必要なだけ買う時代に変わりつつあるので、生命保険について少しでも興味を持つことで、大きな損をすることも後悔することもなくなるのです。
すこし、保険について考えてみましょう。
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