
働けなくなった時のリスクってどれぐらい感じていますか?
最近は、病気やケガで働けなくなった時の保険である【就業不能保険】を、各生命保険会社が力を入れて販売し始めています。
日本生命の「もしものときの・・・生活費」もその中の一つであり、病気やケガで働けなくなった時に加えて、精神疾患などで働けなくなった時までもカバー出来る保険商品となっています。
そんな「もしものときの・・・生活費」の内容の紹介と注意点に関して、今回は少し解説をしていきます。
※注意:日本生命「もしものときの・・・生活費」は2021年7月に新規販売を終了しています。
この記事は、販売していた当時の情報をまとめた内容になっていますので、加入している方や昔の情報を知りたい方は、参考にして下さい。
また、後継商品としてニッセイみらいのカタチ「収NEW1(入院継続時収入サポート保険)」が販売されています。
後継商品に関する記事もアップしていますので、併せてご確認頂ければ幸いです。
目次
日本生命「もしものときの・・・生活費」ってこんな保険!
この保険の基本情報を紹介する前に、一番気になるところだと思いますので、この保険がどういった保険商品なのかを最初に解説をしておきましょう。
就業不能保険の解説!
この保険は、病気やケガ及び精神・神経疾患により就業不能となった際に、毎月給付金を受けられる就業不能保険となっています。
少し分かりやすく書くと、病気やケガで入院をして働けなくなった際に、その期間の給与分を補填するための保険商品と言う事です。
また、よく似た商品で収入保障保険と言う保険種類がありますが、収入保障保険は被保険者の死亡が保険金支払いの条件となるので、簡単に言うと死亡保険と言う事になります。
一方で、この就業不能保険は死亡保険ではなく、被保険者が生存していて働けなくなっている状態が続いていることが給付金の支払い条件になりますので、生存保険という括りになります。
これが、この就業不能保険の内容となっています。
給付金の支払い条件を紹介!
給付金の支払い条件としては、入院または障害等級2級以上となった場合となります。
※この障害等級と言うのは、国民年金法施行令に定める障害等級1級または2級に認定された状態となり、身体障害者福祉法に定める1級または2級の障がい状態とは異なります。
少し分かりにくいかもしれませんが、同じ障害等級でも国民年金法施行令と身体障害者福祉法では、条件が異なると言う事ですね。
因みに、国民年金法施行令で定められている障害等級2級の主な事例は、日本生命の「もしものときの・・・生活費」の案内に記載されていますので、ご覧になってください。
また、この保険には2種類の給付金があり、就業不能状態の継続期間などによって受け取る給付金額が変わります。
これに関しては、後ほど詳しく解説をします。
日本生命「もしものときの・・・生活費」の基本情報の紹介
就業不能保険である日本生命の「もしものときの・・・生活費」が、どういった保険商品かを解説しましたので、ここからはこの保険商品の基本情報を少し紹介していきましょう。
保険契約に関する基本情報
この保険の契約に関する基本情報を紹介していきましょう。
基本情報
正式名称:ニッセイ就業不能保険(無解約返戻金)
保険期間:60歳や65歳などの就業期間中(ハッキリとした記載なし)
保険料払込期間:保険期間と同じ
契約可能年齢:15歳~55歳(被保険者年齢)
ポイント解説
契約に関する基本情報はこれだけです。
保険期間の記載が公式ホームページ等に記載が無かったのですが、基本的に就業不能保険ですので、一般的な会社員の定年時期である60歳や65歳までは選択が出来るようになっています。
また、保険料払込期間に関しても保険期間と同じになっています。
契約可能年齢に関しては、保険の対象となる方(被保険者)の年齢制限となり、保険期間によっても異なりますので、制限のギリギリの方などは日本生命に直接確認をしてください。
保障内容の紹介!
この保険商品の保障内容に関して紹介していきましょう。
主契約
- 短期就業不能給付金(病気やケガでの就業不能時)
- 長期就業不能給付金(病気やケガでの就業不能時)
- 特定疾患就業不能給付金(精神・神経疾患が原因での就業不能時)
- 長期給付無事故支払金(保険期間中に長期就業不能給付金を受け取らずに生存して満期を迎えた場合)
特約
- 特になし
ポイント解説
この保険では、病気やケガでの入院によって就業不能となった場合と、精神・神経疾患で就業不能になった場合とで給付金の種類が異なります。
また、長期就業不能給付金を満期まで受け取る事が無ければ、満期時に【長期給付無事故支払金】として、長期就業不能給付金の1回分の金額を受け取ることが出来るので、完全掛け捨てと言う訳ではないのも嬉しい部分ですね。
給付金に関しては、短期就業不能給付金と特定疾患就業不能給付金は同じ金額となります。
給付内容などに関しては、後ほど詳しく解説します。
保険料例と受取例の紹介!
ここからは、保険料と給付金の受取例を少し紹介していきましょう。
保険料例
契約例
被保険者:30歳
満期:65歳
保険料払込:65歳まで
短期就業不能給付金付:20万円
長期就業不能給付金付:25万円
保険料
男性:8,075円
女性:7,650円
給付金の受取例
病気により2年間(24ヶ月)就業不能になった場合
2ヶ月間の免責期間がありますので、それを差し引くと、22ヶ月間の就業不能状態の継続となります。
最初の17ヶ月目(第17回目の給付)までは、短期就業不能給付金を受け取り、のこり18ヶ月目から22ヶ月目(第18回目の給付から第22回目の給付)までは、長期就業不能給付金を受け取ることになります。
精神疾患により1年間(12ヶ月)就業不能になった場合
これも、2ヶ月間の免責期間がありますので、10ヶ月の就業不能状態の継続となります。
この場合は、10回の特定疾患就業不能給付金を受け取ることになり、毎月受け取る金額は短期就業不能給付金と同額となります。
また、短期就業不能給付金(長期就業不能給付金)と特定疾患就業不能給付金は重複して受け取ることは出来ません。
日本生命「もしものときの・・・生活費」の給付内容と注意点
ここからは、この保険の給付金の詳細と給付条件から、給付に関する注意事項などを解説していきます。
一番重要な部分でもありますので、しっかり読んでください。
給付金の内容を紹介!
それでは、この保険の給付金を少し細かく解説していきます。
この保険には4つの給付金の表記がありますが、給付金の内容は2つしか存在しません。
その辺りをここでは紹介していきます。
短期就業不能給付金
病気やケガでの就業不能の場合に給付される給付金となっています。
2回目から17回目までの給付金となります。
給付条件としては下記の通りとなります。
- 2回目から6回目まで:生存していれば
- 7回目から17回目まで:保険会社所定の就業不能状態が継続しているとき
また、特定疾患就業不能給付金の給付内容や給付条件も短期就業不能給付金と同じとなっています。
長期就業不能給付金
18回目から満期までの給付金となります。
これは、病気やケガでの就業不能時のみの給付金となり、精神・神経疾患の場合には対象となりません。
また給付条件としては、保険会社所定の就業不能状態が継続している間となっています。
特定疾患就業不能給付金
精神・神経疾患での就業不能状態の場合に給付される給付金となっています。
先ほども書きましたように、給付内容(回数や給付金額)や給付条件は、短期就業不能給付金と同じです。
長期給付無事故支払金
保険期間中に長期就業不能給付金を受け取らなかった際に、長期就業不能給付金1回分を受け取れる給付金です。
満期保険金の要素のある給付金と言えるでしょう。
しかし、確実に受け取れると言う訳ではなく、保険期間中に身体精神的に健康であれば受け取れる給付金となっていることを理解しておきましょう。
給付金の支払いに関する注意点!
それでは、この保険の注意点について紹介していきましょう。
この保険で最も注意しなければいけないのは、給付金の支払いに関してとなります。
給付金の支払いに関して2つの注意点があり、簡単にまとめると
・就業不能状態が60日継続して初めて支払い対象となる
・医師の治療が必要で公的医療保険制度に基づいた在宅治療は対象だが、それ以外の在宅治療と精神・神経疾患での在宅治療は対象外
それぞれを少し詳しく解説していきましょう。
60日の待機期間がある
待機期間と言うと語弊があるかもしれませんが、就業不能状態になったからと言って給付金を受け取れるのではなく、保険会社が定めた就業不能状態になってから、その状態が60日継続しなければ給付金の対象となりません。
60日間と言う事は、約2か月間は給付が受けられないと言う事です。
因みにこの期間は、病気やケガでの場合も、精神・神経疾患の場合でも同じとなります。
就業不能になっても約2か月は給付もなく、もし59日目で回復した場合には給付金の対象とはならないと言う事です。
このことをしっかりと覚えておきましょう。
在宅治療には条件がある
在宅治療に関しては、まず医師から「様子を見て欲しい」や「経過観察ですね」や「念のための療養」など、治療ではない在宅療養は給付金の対象となりません。
厳密に、公的医療保険制度の診療にあたる在宅治療のみが、給付金の対象となりますので、しっかりと覚えておきましょう。
また、精神・神経疾患の場合には、在宅治療は給付金の対象とならないと言う事も、併せて覚えておきましょう。
給付金に関する注意点は主にこの2点となりますが、非常に重要な部分ですので、しっかりと理解と言うより覚えておきましょう。
特に、前者の60日間と言うのは、トラブルになりやすい部分でもありますので、『こんなはずじゃなかった』とならないように、契約前に給付金の条件などに関してはしっかりと確認しておきましょう。
日本生命「もしものときの・・・生活費」を上手く活用するポイント!
それでは、ここからは日本生命の就業不能保険「もしものときの・・・生活費」を契約する際に、無駄のない保障にするためのポイントを紹介していきましょう。
日本生命の公式ホームページなどにある、契約例と同じ様にすると、少し過剰な保障になりかねないので、【どれぐらいの保障額(保険金額)が必要なのか?】と言う部分の解説をします。
保障額(保険金額)の決め方は収入保障と同じ?
この保険の保障内容の決め方は、収入保障保険と同じです。
要は、働けなくなった時の給与代わりに受け取る給付金となりますので、
- 自分の給与がどれだけあるのか?
- 今の生活にいくらの金額が必要か?
- 公的な支援はないか?
最低限この3つは確認しておきましょう。
収入保障保険は、残された家族のために【自分の給与と同額の収入を家計に残す】と言う考え方で、保障額(保険金額)を決めていきます。
この就業不能保険「もしものときの・・・生活費」も同じで、就業不能になった際に給与と同じ金額を受け取れるようにする必要があるのです。
そこで、自分の給与(手取り収入でOKです)・生活費の確認が必要となるのです。
また、障害状態になり介護の必要が出るなど、今までの収入以上の費用が掛かる可能性も捨てがたいので、その部分の金額をプラスしても良いでしょう。
公的支援を確認しておくことも大事!
障害状態になった場合には、国民年金や厚生年金から【障害基礎年金】【障害厚生年金】を受け取れる可能性が非常に高いです。
これは、この記事の最初の方でも少し触れました国民年金法施行令による障害等級1級や2級と認定され、国民年金や厚生年金の諸条件をクリアしていれば受け取ることのできる年金です。
この諸条件と言うのは、【国民年金の被保険者期間中に3分の2以上の保険料を払い、直近1年間に保険料の未納入が無い方】などになりますが、この条件が一番大きな条件となります。
そして、国民年金の障害基礎年金は障害等級2級で【年額78万100円+子の加算】となり、月々に換算すると6万5千円の年金を受け取ることが出来ます。
また、会社員の方など厚生年金に加入している方は、収入に応じた金額がこれに加算されますので、もう少し多くもらえる可能性もあります。
障害等級1級や2級の認定を受けると言う事は、長く障害状態が続くと言う事になりますので、この年金額と就業不能保険の給付金を足した額で生活費と介護などに掛かる費用を賄える様にしておくのが、ベターな保障選びとなるでしょう。
保障額(保険金額)の決め方のまとめ
文字だけでは少し解りづらいかもしれませんので、少し簡潔にまとめておきましょう。
『現在の収入(手取り分)-障害基礎年金の月額(約65,000円)=保障金額(保険金額)』
この保障額に加えて介護費用などの心配があれば、保障額を1段階上げるのも良いでしょう。
具体的に少し書きましょう。
手取り収入が20万円の方の場合は
『200,000円-65,000円=135,000円』
この135,000円を基準に保険金額を決めるようにしましょう。
意外に簡単でしょ??
保険金額って決めるのが難しいと思われがちですが、この保険は【どの様な保障の保険で、どんな考え方の保険なのか?】と言うのをしっかりと考えて、自分の今の状況などをしっかりと踏まえて考えれば意外に難しくないのです。
まとめ
今回は、日本生命の就業不能保険「もしものときの・・・生活費」を紹介しましたがどうでしたでしょうか?
おすすめ出来るか出来ないかと言う部分に関してのパートは今回設けませんでしたが、個人的な意見を最後に書いておくと、面白い保険だとは思います。
就業不能保険は、各社で力を入れ始めている分野でもありますので、保障内容と保険料をしっかりと比較して、自分の考え方お財布事情に合った保険商品を選ぶようにしましょうね。
今回の記事で、日本生命の就業不能保険はこういった商品だと言う事だけ解って頂ければ幸いです。
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