阪神大震災や東日本大震災や熊本地震などの大きな地震が起こり、また南海トラフ地震の発生確率の上昇などもあり、地震保険への関心も高まっていると思います。
ここ数十年で地震保険への加入率も上昇していますが、こんな保険も有るという事を知っていましたか?
それが、SBI損保の地震補償保険「Resta(リスタ)」と言う商品です。
私も、火災保険や地震保険に関しては情報を常に仕入れているつもりですが、こんな商品がるのを最近知りました。
今回は、このSBI損保の地震補償保険「Resta(リスタ)」を少し紹介していきましょう。
目次
一般的な地震保険とは違う!
最初にこの事だけは言っておきたいので、冒頭で書きますが、この地震補償保険「Resta(リスタ)」は一般的な地震保険とは異なります。
一般的な地震保険は火災保険とセットで加入するのが条件であり、基本的な補償額は火災保険の半分までとなり、上限額は建物で5,000万円まで家財道具で1,000万円までとなっています。
しかし、この地震補償保険「Resta(リスタ)」は、火災保険・地震保険の加入の有無を問いません。
要は、単独で加入できる保険という事です。
また、補償額に関してはあらかじめ5つのプランが設定されておりその中から選ぶ形になっています。
そして大きな違いは、損害認定の仕方と損害認定の区分です。
簡単に言うと、損害の確認の仕方と損害保険金の支払い方に大きな差があるという事です。
それ以外の支払要件(火災・埋没・流出・倒壊など)は、地震保険とほぼ同じです。
地震補償保険と言う名前なので、「地震保険なんだ!」と思って加入すると少し困る事になるかもしれないので、勘違いしないようにしておきましょう。
地震補償保険「Resta(リスタ)」で一番気になった点は?
この保険の内容を見ていて一番気になった点は損害認定の仕方です。
この保険の損害の認定方法は、自治体が出す「罹災証明書」で損害状況を確認し損害を認定するのです。
普通の方であれば、「何が悪いの?解りやすくて良いじゃない!」と思うと思いますが、これまでの災害時のニュースなどを見ていて気付く方も居ると思いますが、自治体の発行する罹災証明書に関しては、発行されるまでに早くても1・2週間、場合によっては数か月かかる事があります。
ここまで書くと解ると思いますが、自治体の発行する罹災証明書が発行されなければ、保険金が支払われないという事で、保険金の支払いまでに時間が長くかかる可能性が有るという事です。
一般的な地震保険の場合には、保険会社が委託している調査会社の人間や被害状況が大きい場合には保険会社の社員までもが総出で調査をするので、地震での被災の場合には被害状況にもよりますが、事故報告から数週間から1ヶ月ほどで損害額の認定・支払いまで出来る可能性は高く、支払に関しては地震保険の方が早い可能性が高いと言えるでしょう。
この、損害の確認方法の違いと言うのが、一番気になる点と言えるでしょう。
この事をしっかりと理解していれば良いのですが、保険に明るくなければ気づきにくい点だと思いますし、ましてや一般的な地震保険と同じ内容だと思う方も多いと思いますので、この違いと言うのはしっかりと理解しておきましょう。
補償内容は5つのタイプから選べるから解りやすい!?
それでは、補償内容を少し紹介しておきましょう。
この地震補償保険「Resta(リスタ)」の基本的な補償内容は、地震による建物の損害程度に応じて保険金が支払われる保険商品となっています。
地震や地震による津波や地崩れ・土砂崩れによる、火災・倒壊・流出による損害を受けた場合に保険金が支払われます。
また、損害区分は「全壊・大規模半壊・半壊」の3種類となり、この保険の対象は建物だけとなっています。
そのため家財への補償は無く、あくまでも地震によって建物が被災した時のみ補償するという保険商品となっています。
そして、補償額は300万円~900万円までの5つの区分の中から選べるようになっています。
補償額の区分と支払保険金
損害区分 | Aタイプ | Bタイプ | Cタイプ | Dタイプ | Eタイプ |
全壊 | 900万円 | 700万円 | 600万円 | 500万円 | 300万円 |
大規模半壊 | 450万円 | 350万円 | 300万円 | 250万円 | 150万円 |
半壊 | 150万円 | 116.7万円 | 100万円 | 83.3万円 | 50万円 |
上記が、損害の区分と支払保険金となっています。
基本的な考え方としては、地震で被災した時の当面の生活資金と考えれば良いかもしれませんね。
地震保険の上乗せに使えるか?
この保険の売りの一つに、「地震保険の上乗せ補償に使える!」と言うモノがありますが、実際に地震保険の上乗せになるのか?という所が少し疑問に感じたので、ここで少し解説していきます。
個人的な意見の結論を言うと、地震保険の上乗せとしては使えない可能性が高いと言えるでしょう。
その理由としては下記の様な理由があります。
- 損害の確認方法・認定方法が異なる
- 支払区分が異なる
- 保険金の支払いまでのタイムラグが生じる可能性が有る
要はこの3つです。
地震で被災した後に、すぐに建物を建てなおしたりすることは困難と言えるので、保険金の支払いにタイムラグが出ても大きな問題にはならないと思いますが、他社の火災保険では地震保険の補償を上乗せする特約を用意している保険会社もあります。
そういった特約は、地震保険とリンクしますので、地震保険の純粋な上乗せという事が言えますが、この保険は地震保険と性質が異なるために、地震保険の純粋な上乗せと言う訳ではなく、地震で被災した時の地震保険とは別枠で保険金を受け取れると言うだけです。
まぁ細かく言うとキリがありませんが、貰える保険金が多くなると言う点では地震保険の上乗せと言う表現は間違いではないのですが、少しニュアンスに注意が必要と言えるでしょう。
まとめ
今回はSBI損保の地震補償保険「Resta(リスタ)」について紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
こんな商品があるのを知らなかったと言う方も多いのではないでしょうか?
この記事の内容を少しまとめておきましょう。
- この保険は一般的な地震保険とは内容が少し異なる
- 支払いに関しても通常の地震保険とは少し異なる
- 内容さえしっかりと理解していれば検討の価値はある
こう言ったところでしょうか。
個人的には、地震に対する補償と言う面ではなく、地震で被災した後の当面の生活費などの為の保険として見ていればいいのかな?と思いますが、損害の認定方法が自治体の罹災証明書に基づくと言う所で、保険金の支払いまでに時間がかかるとなると当面の生活費と考えるのも少し不安が残る内容かと思います。
補償面に関してはそこまで悪くないと思いますが、地震で被災した後の事を考えて加入検討するのが良いでしょう。